【広報ふじ昭和50年】国一(柏原)で騒音と排ガス調査…
国道1号線の1日の交通量は24,153台(昨年10月建設省調査)、このうち大型が6,290台、小型が17,863台となっています。このように大量の交通量をさばいている1号線も、元吉原地区の柏原から桧町までの約2.15キロメートルは、う回路がまったくありません。沿線住民はこの区間を生地獄街道と呼ぶほど、昼夜を問わず交通公害に悩まされています。
そこで、地元の人達から騒音と排気ガスの状態がどの程度か調べてほしいという要請があり、市も資料づくりのために、昨年12月23日から1月13日まで、あお空号による騒音と排気ガスの調査を行いました。この調査結果がまとまりましたので、そのあらましをお知らせいたします。
騒音の環境基準を15〜21ホン上回る
調査は12月23日から1月5日まで東田子の浦駅前の六王子神社横(A地点)、1月6日から13日まで昭和放水路西側の杉山ナプキン前(B地点)で行いました。
まず交通騒音問題は、交通量の増加と車両の大型化などにより、ますます深刻化しています。両測点の平日騒音測定値は、昼間で平均73〜74ホン、朝夕、夜間で70ホン前後でしたが、最高は80ホンをオーバーしています。また、1日の騒音変化を見ると昼間は上端値と下端値の差はあまりありませんが、夜間になると小型車両の通行が少なくなるため、その差は広がります。しかし、夜間でも大型車両の通行があるために上端値は昼間とほとんど変わりません。
年末年始の場合は、全体的に通行車両が減少し、なかでも大型車両がほとんどなかったため、昼間の平均値60ホン台、夜間50ホン台と普段よりかなり低くなっています。
なお、2測点の平均値を環境基準(道路に面する地域)と比較してみると
昼間 朝・夕 夜間
環境基準 55ホン 50ホン 45ホン
A測点 70ホン 66ホン 60ホン
B測点 72ホン 69ホン 66ホン
いずれも環境基準より15〜21ホン高くなっています。
▽ホンとは
騒音の大きさをはかる単位として「ホン」(又はdB)を使います。これは音の音庄レベルを耳の感覚に合うよう補正したもので、騒音レベルのことです。
ホンは、音の大きさのレベル(phon)とまぎらわしいのですが、日本でこの呼び方がよく知られているため、騒音計で測定した値にホンを使っています。
交差点に近い所ほど高濃度
人体に悪影響をおよぼす排気ガスの状態がどの程度か調べるため、排気ガスを中心に大気環境測定を行いました。測定は騒音と同じようにA地点とB地点で、二酸化いおう、浮遊粒子状物質、一酸化窒素、一酸化炭素の5物質を対象にしました。
年末年始を別にして両地点を比較すると、一酸化窒素、二酸化窒素、浮遊粒子物質などは、A地点の濃度が高く、なかでも一酸化窒素に著しく表われています。これは、A地点が交差点から50メートルほどしか離れていない場所であったことと、B地点での測定期間中3日間強い風が吹き、局地汚染である自動車排ガスが拡散されたためと考えられます。
また、年末年始は物質により多少の差はありますが、全般的に濃度は低く、交通量の減少特に(大型車両)、工場の一斉休業による大気の環境汚染濃度の低減が認められました。それでは、5物質のうち交通量との比例関係が強い、一酸化窒素と一酸化炭素の測定結果、汚染特性などをあげてみます。
一酸化窒素朝夕の2回にわたって濃度のピークが
一酸化窒素は1時間値の最高値が0.555PPMを記録し、1日平均値でも正月を除いて0.2PPM以上の日が多く、きわめて高濃度といえます。交通量の少ない通常の生活環境では0.02PPM程度とみられていることからしても、交通量の影響が出ています。
B地点の測量で風の強かった3日間は0.2PPM前後と、正月並みに低濃度となっています。これは、排気ガスが風で拡散されやすいためと考えられます。また、時刻別にみても朝夕の通勤時間に交通量が多くなるので、濃度のピークがみられます。
一酸化炭素の時刻別平均値は夜間が2PPM前後、朝夕のラッシュ時5PPM前後、昼間は3〜4PPMとなっています。したがって、一酸化炭素は交通量との比例関係が最も強いのではないかと推察されます。つまり、平常時では朝夕のラッシュ時に当る午前8時と午後6時の2回、濃度が高くなっています。年末年始にはこのようなピークが全く見られないことからもうかがえます。
なお、環境基準は連続8時間の平均値が20PPM以下、24時間の平均値が10PPM以下ですから、両測点とも全日数基準内にありました。
- 図表あり -
( 図表説明 ) 時間帯別騒音平均値
( 図表説明 ) 地図
- 写真あり -
( 写真説明 ) 測定準備を行う公害課職員=公害監視測定車あお空号=
添付ファイル
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