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【広報ふじ昭和50年】富士市公害健康被害補償条例を制定

市の公害認定患者にも障害補償費などを支給

 国の公害病認定患者は、昨年9月から「公害健康被害補償法」にもとずいて、医療費のほか障害補償費や遺族補償費が支給されています。しかし、市の認定患者は国の指定地域以外のためのぞかれていました。そこで市の認定患者にも国と同じような補償を行い、公平な救済を実施すべきであるとの考えから新しい制度を検討していましたが、このたび「富士市公害認定被害補償条例」として、市議会12月定例会で可決されました。
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ばい煙装置設置者が補償給付費の8割を分担

市の公害病認定患者は150人

 富士市の公害病の認定は、国と市の2本立てによって行っています。認定患者数は、昨年12月末日現在で658人、国が508人(男279人、女229人)、市が150人(男87人、女63人)です。
 このうち国の認定患者は、昨年9月1日から「公害健康被害補償法」にもとづいて、医療費などのほかに障害補償費や児童補償手当などが支給されています。しかし、市の認定患者は、国の指定地域以外の人が対象となっているためのぞかれていました。そこで、市の認定患者も国の認定患者と同じような補償が受けられるように、「富士市公害健康被害補償条例」を制定しました。
 この補償条例は認定患者の生活補償的な面に重点を置いています。新条例医療費、障害補償費、遺族補償費、遺族補償一時金、児童補償手当、療養手当、葬祭料が支給されます。
 補償給付にかかる費用は、汚染者負担の原則を取り入れ、ばい煙の発生源施設を持つ企業に協力していただき負担をお願いしました。国の補償法は工場などの固定発生源と白動車などの移動発生源としていますが、市の場合は移動発生源分を市の一般財源から当てることにしました。


認定は4種の病気とその続発症

 補償条例の対象となる病気は、大気汚染の影響による 
 1.慢性気管支炎 2.気管支ぜん息 3.ぜん息性気管支炎 4.肺気しゅ
とこれら4種の続発症です。
 認定の条件は市内に一定期間以上住み、これからも市内に住む方で、指定疾病にかかっていると認められた場合です。居住期間は慢性気管支炎が2年、気管支ぜん息とぜん息性気管支炎が1年、肺気しゅが3年以上となっています。したがって、認定された方が市外に移転した時にはその認定は取り消しとなります。

障害の程度によって補償費を支給

 市の公害病認定患者となっている方は、旧条例から補償条例へ自動的に引継がれますので、認定を改めて受ける必要はありません。これから認定を受ける方は、申請書に主治医の診断書などを添えて、環境部衛生課(4階北側)へ申込んでください。認定されると公害医療手帳が交付されます。
 治療は公害医療機関で受けていただきますが、公害医療手帳を窓口へ示せば、現金や保険証は必要ありません。ただし、特別なものや認定された病気以外の治療のときは、このような取扱いになりません。
 また、認定された方には、認定患者の請求に基づき、障害の程度に応じて障害補償費、児童手当などが支給されます。障害の程度については日常生活の困難度や労働能力の喪失度をもとにそれぞれの等級を決めます。等級は1級から3級までで、このうち最も重度の中から、特に常時介護が必要な心身の状態にある場合、介護加算を加えた特級となります。
4つのランクづけは公害健康被害認定審査会で審査を行い決定します。

全労働者の平均賃金をもとに補償費を算定

 障害補償費は「補償費標準給付基礎月額」により月額として支払われます。この標準給付基礎月額は、労働省がまとめた全労働者の平均賃金をもとにつくったもので、障害補償費は平均賃金の80パーセント、遺族補償費は70パーセントとなっています。

遺族補償費
 15才以上の方で、指定疾病のため労働や日常生活に支障がある時に支給されます。
児童補償手当
 15才未満の児童が指定疾病のため日常生活に支障があるときに、その児童を養育している方に支給されます。
療養手当
 認定された病気のため入院(1日以上)、通院(4日以上)をした日数に応じて支給されます。
遺族補償費
 生計を維持していた方が、認定された病気に起因して死亡した場合、遺族の方(妻以外は18才未満又は60才以上)に支給されます。
遺族補償一時金
 遺族補償費を受ける方がいない場合、他の遺族の方に一時金として支給されます。
葬祭料
 認定患者が認定された病気に起因して死亡した時、葬祭を行う方に支給されます。

 なお、遺族補償費、遺族補償一時金、葬祭料の給付は、いずれも認定患者が認定された病気に起因して死亡したときに支給されるもので、それ以外の病気が原因で死亡した場合は支給されません。

 この条例は、1月1日から施行されていますが、給付の大部は昨年の9月1日にさかのぼって適用されることになっています。くわしくは環境部衛生課へお問合せください。
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( 写真説明 ) 大気の汚れを24時間監視するテレメーター
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