【広報ふじ昭和49年】台所と生産者を結ぶ公設地方卸売市場「田島地先に66,000平方メートルの用地を確保」
都市化による農地の減少、兼業農家の増加などによって、岳南地域の農産物の供給は年々減少しています。また、全国の農産物生産地はますます大型化、専門化し、出荷も計画的に行われ価格の安定した大都市の市場が中心になっています。このため、富士市をはじめ近隣市町のように大きな市場を持っていない地域では、地元の農家で生産されたものでも大都市の市場に出荷され、再び地元の市場に帰って来るものさえあります。そこで、より新鮮な品物を豊富に、数多くそろえ、市民に安定した価格で供給できるような体制をはかるため、現在の市場を統合して新しく“公設地方卸売市場”の建設を行うことになりました。すでに用地の買収も済み、荒造成を行い、今年度から建設工事に取りかかりますので、あらましをお知らせいたします。
田島地先に66,000平方メートルの用地を確保
生鮮食料品の流通機構の整備統合は、昭和38年当時旧吉原市、旧富士市の青果2市場について検討されました。しかし、これは実現しませんでしたが、水産物については昭和40年、市内3市場が合併し、現在の地方卸売市場富士魚市場が設置されました。
その後、静岡県第7次総合開発計画で、県東部、岳南地域、中部、西部の各流通圏内の市場大型化が打ち出されました。当地域においても関係市町からなる岳南地方中央卸売市場開設対策協議会が、昭和44年7月に設置されました。また46年4月卸売市場法が制定され、これを契機に名称を「公設地方卸売市場」と改めました。そこで、岳南地域の生鮮食料品などの流通を円滑化するため、現在の市場を整備統合し規模の大きい市場の実現を目ざし、関係者と協議を行ってきました。
このような背景のもとで、昨年10月、市経済部に公設地方卸売市場開設準備室が置かれ、今年2月には田島地先の藤沢薬品東側に66,000平方メートルの用地買収を完了し、3月には荒造成も終りました。市場の建設費は用地費などを含め約30億円かかりますが、昭和51年4月開設を目途に工事を進めていきます。
消費者・生産者も得な大型市場
公設地方卸表市場は、富士、富士宮、富士川町にある既存の市場を整備統合して、大型化するもので、市場の流通圏も広範囲になります。流通圏は富士市をはじめ、富士宮市、芝川町、富士川町、蒲原町、由比町、山梨県南部まで含まれます。
このように市場が大きくなり、流通圏が広がることによって、生産者は安心して出荷でき、新鮮な品物が豊富に集まってきます。そして供給と需要のバランスがとれ、卸売価格の変動が少なくなり、消費者に安定した値段で新鮮な物が供給できるようになります。
市場で取扱う品物は青果物と水産物ですが、ほかに市場を利用する商店に欠くことができないカンヅメ類調味料、インスタント食品、包装資材、日用品などを扱う付属営業人も入ります。
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( 写真説明 ) 白線内は公設市場の建設地
卸売場などの建設に着手
下の写真は、市場の第1期と第2期計画の完成予想図ですが 第1期は昭和50年度まで、第2期は51年度以降の計画です。
市場内の施設は青果と水産の卸売場、仲卸売場、買荷保管積込所、卸売業者事務所、買受人組合事務所、青果倉庫、付属店舗、農協事務所、銀行、精算所、衛生検査室、統計事務所、管理事務所などです。
そこで、今年度は9臆8,307万円をかけ卸売場、仲卸売場、買荷保管積込所、構内舗装、関係業者事務所、管理事務所の建設を行います。
それでは、生鮮食料品が消費者に渡る流通径路を見ながら、市場内の業者の説明をいたします。
まず生産された青果や捕獲した魚類は、市場の卸売業者が依託・買付けし、品物をせりにかけ、それを仲卸売業者や買受人(小売業者)がせり落します。買受人がせり落したものは直接店先に出回ります。しかし仲卸業者がせり落したものは、市場内の店舗に陳列され、買受人に販売されます。
卸売業者
生産者や製造業者などから大量の荷口で品物を依託・買付け、これを買受人または仲卸業者に売る業者間の販売業者です。
せり人
卸売におけるせり売りを実際に担当する人で、出荷者、仲卸業者、買受人の利害に直接影響を与える重要な役割をはたします。
仲卸業者
市場が大きくなれは卸売業者が1度に仕入れる品物も大量となります。しかし、いろいろな品物をすこしずつ必要とする買受人は、1度に多くを入手する必要はありません。そこで買受人に変って品物をせり落し、小口に別けて買受人に販売する業者です。
買受人
小売業看で卸売業者の取扱い品目を販売、および加工販売する人たちです。
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( 写真説明 ) 公設地方卸売市場完成予想図
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