昭和48年度のイオウ酸化物測定結果が先ごろまとまりましたので、お知らせいたします。
測定は富士保健所、吉原第三中学校、勤労青少年会館、元吉原中学校など9か所で行なっています。また測定が同じ条件でできるように、昨年、市の測定局は観測小屋の建設を行ないました。
富士市のイオウ酸化物濃度は、毎年すこしずつ減少していましたが、48年度の富士保健所、勤労青少年会館、鷹岡公民館、大淵中学校では、年間平均値が前年を少し上回っています。しかし、これまで常に高濃度を記録していた今泉小学校、伝法公民館については減少しています。
そこで、新環境基準と市内の測定結果を比較してみると、1時間値0.1PPM以下の達成率は、全測点97パーセント以上となっています。これを時間数になおすと年間を通じ0.1PPMを超えたのは約100時間となり、特に大淵中学校は99.8パーセント(0.1PPM以上の時間数13時間)、富士保健所は 99.4パーセント(49時間)とほぼ環境基準を満足しています。
また、0.2PPM以上(0.2PPM以上が3時間継続すると、緊急時注意報を発令)の高濃度は、勤労青少年会館、吉原第三中学校の2測点で記録しましたが、いずれも注意報の発令までにはなりませんでした。ほかの7測点においては、1度も記録されず高濃度出現の可能性は非常に少なくなったといえます。
これは、市が昨年10月に使用燃料中のイオウ分を1.5パーセント以下のものとするように指導したことや、発生源の自粛による結果と推察されます。
しかし、1日平均値0.04PPM以下の達成率は依然と低く、市内平均で約60パーセントにとどまっています。特に今泉小学校23.6パーセント、伝法公民館は41パーセントと非常に低い結果が出ています。これは富士市の発生源工場の操業状態が24時間連続稼動しているためで工場が集中している伝法、今泉地区がその結果が現れたものと思われます。
新環境基準達成の最大目標である1日平均値0.04PPMについては、昭和51年度を目標にしており、当面の課題となっているのは、昭和50年度、年平均0.03PPMの達成です。すなわち「503計画」は、年次別に新環境基準を達成していくものです。
◇新環境基準はイオウ酸化物の1時間値の1日平均値が0.04PPM以下、かつ1時間値が0.1PPM以下となっています。
- 写真あり -
( 写真説明 ) 同じ条件で測定ができるように観測小屋を建てる
- 図表あり -
( 図表説明 ) 昭和48年度イオウ酸化物測定結果(昭和48年4月1日〜昭和49年3月31日)