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【広報ふじ昭和49年】シビルミニマム 住みよい豊かなまちづくりのために

 快適な都市づくりを進めるため、昭和46年「富士市総合計画基本構想」を策定しました。総合計画は、昭和60年を目標にした長期計画で、5年間を一区切りにして具体的な実施計画をつくり、今日までの行財政運営の指針として、積極的に事業を進めてきました。
 しかし、その後の社会・経済情勢は、国の内外をとわず変動を続け、富士市をとりまく情勢も変わり、長期計画を再検討する必要が出てきました。
 また、都市づくりに対する市民意識も、これまでの物の豊かさの追求から、生きがいやゆとりのある環境などを要求する傾向が強くなるなど、こうした面からも計画の見直しが必要となりました。
 そこで、総合計画を補完するとともに、市民が安全、健康、快適、能率的な生活をするのに必要な最低限度の都市基準を示す「シビル・ミニマム」を設定することになりました。作業は5月から専門班をつくり取りかかりましたので、シビル・ミニマムの意味、今後の策定計画などのあらましをお知らせいたします。

市民とともに進めるよりよい都市づくり

 新しく策定する計画は、富士市総合計画基本構想の実現をはかるための実施計画であり、その手法としてシビル・ミニマムを設定するものであります。
 このため、市が当面しているすべての問題点を取り上げ、実現すべき最低の水準をまず見つけだします。その計画を市民みなさんに公表し、市民ぐるみで目標を達成していこうというものです。したがって、計画はあくまでも市民の生活環境をよくすることをねらいとしてつくります。そのために、市が取り組むべき課題として、次の点を強調していきます。

○いのちと健康を守るために
 保健・医療、救急、公害防止、交通事故防止、火災防止、災害防止
○快適で住みよい豊かなまちをつくるために
 生活環境(住宅、道路、上水道、清掃、みどりと自然など)、中小企業(商・工業、農・林・漁業)
○こどもや老人の生活を守るために
 子どもと母親、老人、心身障害児(者)、低所得者、勤労者、消費者
○教育や文化の水準を高めるために
 幼児教育、義務教育、特殊教育、高次教育、社会教育、社会体育、芸術・文化
○市民参加による市政をすすめるために
 行政組織、市民組織、市政情報
- 写真あり -
( 写真説明 ) うるおいのある都市づくりを…


シビル・ミニマムは60年を目標に設定

 都市は本来、そこに住む市民がつくりあげるもので、よりよい都市づくりは、市民ひとりひとりの安住と協力があってこそできるものです。
 そこで、これからつくる計画には、市民意識調査や市政によせられた意見・要望などを反映するとともに、市民参加を求めて計画を策定します。
 シビル・ミニマムは、昭和60年を目標に設定しますが、実地計画は、経済・社会の変動を考えて、昭和50年を初年度とする3か年計画とし、毎年改定するローリングシステムを採用しました。
市が実施できるものできないものをはっきり

 シビル・ミニマムは、近代都市が住民のために、当然備えていなければならない最低限の水準。すなわち市民が安全・健康・快適・能率的な生活をするのに、必要な最低限度の条件といえます。この安全・健康・快適・能率の4指標に一例としてシビル・ミニマムを当てはめると、交通事故発生率は安全の、病床設置率は健康の、公園率は快適の、道路舗装率は能率の尺度を表わすことになります。
 シビル・ミニマムの設定にあたっては、目標水準を最低限におくにせよ、富士市が近代都市として当然備えていなければならない物的施設や設備を数字によって現わします。
 なお、シビル・ミニマムの設定によって、必要なものが指数化、計量化されるので、これに予算を付けていくようになり、施策の実現はより確実になります。このほか、次のような効果が期待できます。
 まず市から見た場合は−
(1)市の実施すべき施策と優先順位が明らかにされる。
 これまでの長期計画に比較して、どこまでを実施しなけれはならないかが、きわめて明確になります。また、シビル・ミニマムと現在の水準を比較することによって、立ち遅れている部門もはっきりし、実施する施策の順位も決まります。
(2)長期にわたる計画的な行政運営ができるシビル・ミニマムを達成するためには、達成までの事業計画とそれに基づいて事業を行なうので、計画的な行政運営ができます。
(3)市の責任範囲がはっきりする。
 市ができるものとそうでないものとが、市民に明らかにされます。
(4)市民の要求などを客勧的に調整できる。
 市民の複雑な要求などをシビル・ミニマムに照らすことによって客観的な調整ができます。
(5)国や県に、行財政制度の改正の要求が具体的にされる。
- 写真あり -
( 写真説明 ) 生活環境の整備に重点を…

市民の意向が行政へ反映

 市民側から見た場合は−
(1)市民の福祉に重点のおかれた行政が確保される。
 産業基盤優先の投資から転換し、市民の生活環境の整備に重点がおかれます。
(2)市民の意向が行政へ十分に反映される。
 市民の意向は、シビル・ミニマムを設定する場合重要な役割をはたします。市民の意向をつかむための調査や市民の代表者などのシビル・ミニマム設定への参加で、市民の意向が行政へ反映されます。
(3)市に対して具体的な要求ができる
 シビル・ミニマムと現在の水準を比較することによって、市民が簡単に差を知ることができます。したがって、その差を埋めるための要求が具体的にできます。
(4)地域社会への関心(自治意識)が高まる。
 シビル・ミニマムが具体的に、あるいは計数的に示されるので、地域の市民が共通の問題で討論ができるようになります。
◇都市づくりの意見をお寄せください

 専門班によるシビル・ミニマム策定作業を進めていますが、都市づくりに対して意見をお持ちの方は、市長への手紙などを利用してお寄せください。なお市長への手紙は、各公民館、吉原市民会館、富士文化センターなど18か所に置いてありますので、ご利用ください。
添付ファイル
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