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【広報ふじ昭和49年】消費者運動連絡会を結成

 物価高や品不足に泣かされるのは、一家の台所をまかなっている主婦。ひとりでぼやいたり、怒ってもはじまらない−それでは大勢が力を合わせて、消費生活の危機に立ち向っていこうと、このほど婦人会や生活学校、農協などの各種団体が集まって“富士市消費者運動連絡会”を結成しました。発会式は4月20日、市役所10階会議室で行なわれました。
 式には各種団体から150人が参加し、各団体はもとより、地域ぐるみで運動を進めていこうと誓い合いました。それでは、連絡会の発会式の様子、目的などをお知らせいたします。

消費生活の危機に立ち向う

物価高に対抗して消費者が団結

 昨年の秋以来続いた物価高、物不足もようやくおちつきましたが、高値安定となってしまいました。また物価高、物不足は再び起りうる状態などともいわれています。混乱した中で、ひとりひとりの消費者が怒ったり、なげいても解決しません。弱い消費者は、大勢集まって力を合わせ消費生活の危機に対処する以外手だてはありません。
 また、おたがいに啓もうしながらかしこい消費者になると同時に、消費者のためのよりよい経済になるよう、行政に対し、あるいは社会に対し積極的にはたらきかけていかなければなりません。
 市商工課の呼びかけで、3月に消費者問題懇談会が開かれました。この会には、各団体から28人が出席して、それぞれの団体の活動状況や問題点を出して話し合いを行ないましたが、この懇談会をきっかけに、消費者運動連絡会を結成することになりました。
 昨年秋からはじまった物不足と諸物価の急激な値上がり、数々の食品公害は、憲法で保障する健康で文化的な最低限度の生活もおびやかすことになりました。
 トイレットペ−パー、洗剤、砂糖など生活必需品が店頭から姿を消した時、あかちゃんをかかえたお母さん、病人をかかえた家庭、ひとりぐらしの老人−どんなにこまったことでしょう。また製紙の町でありながら紙が手に入らないということもありました。この原因は何でしょう。ひとりひとりが頭をいため、かげで不満をいってもどうにもなりませんでした。そこで、多くの人達が集まり多くの団体が協力する中で(1)消費者運動の推進(2)消費者意識の高揚(3)情報の交換、などを行ない広く市民運動を展開していくことになりました。


価格などの意見交換も積極的に

 まず1番目の消費者運動の推進は各団体で活動している中で、共通する問題、新しいアイディアを取り入れて協議し、それぞれの団体で刷新していく。次に、消費者意識の高揚は、パンフレットや報道機関などで活動についての協議の様子を呼びかけるとともに、活動結果を公表していく。3番目の情報の交換は、生活必備品の価格調査をモニターで実施しているが、もっとこまかなデーターが必要なので、価格調査を実施している団体は、情報を交換し、消費生活の安定、向上をはかる。
 連絡会はこのように大きな目的を持って発会しましたが、会の代表に今泉春枝さん(連合婦人会)、副代表に神馬郁子さん(消費生活モニター)が選ばれました。
- 写真あり -
( 写真説明 ) 4月20日消費者運動連絡会を結成

連合婦人会など9団体で連絡会を結成

 富士市消費者運動連絡会の参加団体は、連合婦人会、富士市消費生活モニター、生活学校、富士生活協同組合、友の会富士グループ、農協婦人部、新日本婦人の会富士支部、栄養普及会、あすなろ母の会科理研究部の9団体と富士市消費生活相談員です。また、連絡会の運営は参加団体が会費を負担し、不足分は廃品回収などの事業を行ないまかなっていきます。
 発会式で、代表に選ばれた今泉春枝さんや来賓のあいさつが行なわれました。
◎大勢の力を合わせ大きな市民運動に

消費者運動連絡会代表 今泉春枝
 他市に先がけ消費者運動連絡会が発会したことは、たいへんうれしくそれだけに意義があり、責任も大きなものだと思います。消費生活に深い関連があるお母さんたちが集まって、問題に立ち向かっていくことはすばらしいことです。ひとりでできないことも大勢集まれは、大きな力となり、大きな市民運動となって、市の中、県の中に流れていくのではないでしょうか。
 また、発会に当たり、会の趣旨を原点に帰って考えなくてはなりません。それは、物が高くなり、物がなくなったからといって、自分達のことはせめないで、行政や業者に反感ばかり持っていきますが、まず自分の姿勢もいっしょに考えるということです。この会は、行政あるいは業者に文句だけいう会ではないということです。女性として、母親として 主婦として、消費問題にどのように取り組み、どうしたら物も心も豊かな富士市をつくっていくかということが発会の趣旨です。


◎生活体験からの意見は行政にどんどん反映

富士市長 渡辺彦太郎
 男性は消費にうといきらいがあります。私も会合などに出席して、おくさん方から出される消費問題についての意見には、考えさせられることがたくさんあります。
 このように各団体が連合して、お互いの経験や、活動を通じて、消費生活を豊かにしていくことは大変なことだと思います。たとえば、ひとつの日常生活必需品でも、その品物がどのような所でつくられ、どのような方法で私達の手もとに届くのかを知らないと、高いとか安い、品物が悪いとか良い議論はそこだけで終ってしまいます。
 なお、消費問題は行政だけではとかく形式的に流れてしまうので、みなさんの生活体験の中から出た、きちょうな意見を十分取り入れて生かしていくことが必要だと思っています。資源不足の日本ですから、みなさん、お互いに消費ということをもう一度考えあってください。

袋の再利用などの市民運動を展開

 なお、発会式のあと、参加団体で今後の運動をどのように進めていくか意見交換を行ないました。参加者からは−
・袋の再利用について
・ゴミ収集袋の価格について
・古紙の再生について
・洗剤の害について
・商品の共同購入について
・公設卸売市場の運営参加について
・有害食品について
 など、数多くの意見が出されました。なお、連絡会ではこれらの意見をもとに今後の運動方針をつくり、よりよい消費生活が行なわれるよう市民運動を展開していくことになりました。
- 写真あり -
( 写真説明 ) 一時は店頭から姿を消した洗剤もいまでは…
添付ファイル
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