【広報ふじ昭和49年】水質規制でよみがえった河川
潤井川、沼川など市内の河川は、ここ2〜3年の間に、みちがえるようにきれいになっています。以前は水の色も茶かっ色ににごり、製紙カスが腐り硫化水素ガスなど発生して、魚が住めるような状態ではありませんでした。
この影響を最も受けたのは、市内のほとんどの河川や岳南排水路が流れ込んでいる田子の浦港で、土砂、製紙カス、ゴミのたまり場となって、大型船の入港ができないことさえありました。
昭和45年を最高に汚濁量は年々減少
しかし、昭和45年10月から、工場などの排出規制がだんだん強化され、市も工場排水の監視、指導を重点的に実施しました。この結果、昭和45年を最高に岳南排水路や河川の汚濁量は年々減少してきました。
田子の浦水域の水質汚濁は、大量な水を使用する製紙排水に左右されますが、市内の家庭や工場などで使う水の量は、1日に約200万トンと推定されます。
下の表は田子の浦港に流れ込んでいる和田川、潤井川、沼川など7流域の水質汚濁の総負荷量を年度平均量で出したものです。昭和45年度と48年度を比較してみると、BOD負荷で98パーセント、COD負荷83パーセント、SS負荷で77パーセントのカット率を示しています。
岳南排水路流末における測定でもCOD、SSは年々減少してきました。しかし汚水処理機の適切管理が充分なされず立入調査で注意勧告、改善命令などを受けた工場が100工場をこえました。また昨年10月までに特定施設の一時停止処分を受けた工場が28工場ありました。
田子の浦水域の水質規制は、4月から県公害防止条例上乗せ排水基準の第3段階が適用され一段と厳しくなります。合わせて、市公害課では、今後、着色性有機物の除去を重点的に指導し、色などのまだ規制されていないものについても監視を行なっていきます。
▽用語メモ
BOD(生物化学的酸素要求量)
河川や廃水、下水などの汚濁の程度を示すもので、有機性物質(汚染物資)がバクテリアによって分解されるときに必要な酸素の量を表わします。必要酸素量が多いとそれだけ水質の汚濁度が高いといえます。
COD(化学的酸素要求量)
BODと同じように河川水などの汚濁を示すもので、河川や海中に流れ込んだ汚染物質が化学的反応、変化を起こすときに消費する酸素量を表わします。CODの高い水が河川に流入すると酸素を多く消費するので、魚や植物の生存がおびやかされます。
SS(浮遊物質)
懸濁物質ともいいますが、水中に浮遊している水に溶けない物質です。浮遊物質は水の濁りの原因となるばかりでなく沈積してヘドロの元凶となります。
負荷量(絶対量)
排水中に含まれる汚濁物質であり、BOD、COD、SSなどの汚濁物質量を重量単位で表わしたものです。
- 図表あり -
( 図表説明 ) 田子の浦港へ流入する汚水の総負荷量推移
- 写真あり -
( 写真説明 ) 田子の浦水域の水の汚水は大幅に減少
添付ファイル
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