日曜や夜間、ガソリンスタンドが営業していないため、ドライブに出かける時、トランクに予備ガソリンを積んで行く人が多く見られます。ところが、ポリ容器などに予備ガソリンを入れて携帯することは大変危険です。ちょっとした事故や不注意から予備ガソリンに火がつき、思わぬ大惨事につながっています。
そこで、“交通安全を考える会”では、ポリ容器の強度や予備ガソリンを積んで走ることがいかに危険か、多くの人に知っていただくため、さきごろ富士川河川敷で追突による車両火災を再現しました。
■ポリ容器震動実験
ポリ容器に入れたガソリンに一般走行と同じような震動を与えると、キャップのすきまからガソリンが気ほうとなって出てきます。気化したガソリンは、火がつきやすく、スパークによって出る火ばな、タバコの火で簡単に爆発します。
■ポリ容器の強度実験
水、20リットル買入れたポリ容器を10メートルと15メートルの高さから落としてみたところ、いずれもポリ容器が破れ、中身が全部出てしまいました。高さを平行速度になおすと10メートルは50.4キロメートル、15メートルが61.7キロメートルになります。
■追突による車両火災炎上実験
追突による車両火災の発生率は約10分の1程度といわれています。しかし、トランク内に予備ガソリンを積んでいる場合の確立はさらに高くなります。
実験はポリ容器にガソリソを入れ、乗用車のトランク内に積んで置き、実際に時速40−50キロメートルのスピードで追突させました。
1回目は、スピードが出なかったせいか火災は発生しませんでしたが、衝撃でポリ容器は倒れ、ガソリソがトランク内にこぼれてしまいました。
2回目〔写真〕は自動車を2台並べ追突させたところ、サンドイッチになった車から出火し、またたく間に前後の車にも火が燃え移ってしまいました。なおいったん燃えはじめてしまうと消火も思うようにいかず、大惨事になってしまいます。
今回の実験は、これまでに全国で発生した事故をもとに再現しました。事故が起こってから後悔してもはじまりませんのでみなさんも十分注意してください。
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