【広報ふじ昭和48年】品不足?なんとかなりませんか
最近、日用必需品の品不足は物価高とともに大きな社会問題となっています。そこで、この原因となっているものはなにか、実際に品不足なのか、対策はないのだろうかと、富士商工会議所の物価対策委員会と富士市消費者協会共催で、物価対策懇談会をさきごろ開きました。懇談会には一般消費者や紙、砂糖、洗剤、石油のメーカーや小売店主30人が出席して、それぞれの立場で意見をのべ話し合いました。
この結果、消費者がうわさやデマにまどわされ、買いだめ、買い占めさえしなければ品物はある。冷静に物事を判断していく以外手だてはないので、買いだめや無駄づかいをしないようにしてほしいとメーカーや販売店主から要請がありました。
それでは、懇談会でそれぞれの立場からだされた意見を、消費者モニターから寄せられた手紙といっしょに紹介します。
塩は絶対に心配ありません
専売公社中部支部
塩が一般商品と同じような不安感から買いだめされているようですが、これまで専売品ということでまったく考えてもみませんでした。家庭用の塩は、現在、富士市と富士宮市に年間1,500トンぐらい供給しています。
11月、12月は漬け物の時期ということで、ほかの月より多少塩を多く使うようです。例年11月は110トンから120トンぐらい売れているので、平年の事情に多少の余裕を見て仕入れています。ところが今年の11月1日から24日までに普段の2か月分に当たる200トンが売られました。
塩は需要が増えても十分対応できる体制になっていますが、大勢の人が一度に2か月分も3か月分も買えば、供給体勢は十分といっても一時的にはなくなるということがでてきます。また、専売品ですから需給が多少きゅうくつになっても値だんが変わったり、値上がりということはありません。塩は絶対心配ありませんから必要以上のものを買わないようにお願いします。
生産はふえても買い占めで…
チリ紙メーカー
今までトイレで使う紙は平板のチリ紙が7対3ぐらいの割合でしたが、水洗便所の普及にともないトイレットペーパーがだんだん伸び、しだいに差がなくなりつつあります。ところで、昨年と今年の1月から9月までのトイレットぺ−バーの生産を見ると、全国で16.2パーセント伸びていますから、たとえ前年に比べ20パーセントの需要増があっても、生産の伸びと余剰分を考えれば不足することはないわけです。
このようにトイレットぺ−パー不足ということがあちこちに広がったのは、10月30日に枚方市のスーパーで買い占めが行なわれ、半年分のトイレットペーパーを買ったということがきっかけとなっています。その前にも要因があって、世界的なパルプ不足、古紙の回収もままならぬということで、紙は節約していかなければという矢先に、たまたまこうした問題が起り「買っておかなければなくなってしまうのではないか」ということが導火線になったわけです。
これまで4ロールのものを1個買っていた人が、もう1個買いましすると100パーセントの生産増をしなければなりません。そのうえ、4個、5個となるとどうしようもなくなってしまいます。しかし、買い占め、買いだめさえしなければ、絶対不足するものではありませんから、消費者のみなさんも余分なものは買わない、無駄に使わないようにしてください。
うわさにまどわされないように
小売店主
このほか、砂糖を市内の小売店に卸している問屋さん、実際に洗剤を販売している小売店主から、実情が説明されました。
「人のうわさにまどわされ、我れも我れもと買いだめする」「普段の月の倍近くも売れてしまう」「注文してもすぐに商品が届かないので、一時的に店先からなくなってしまう」「それをほかの人が見てやはり品不足なんだと早合点し、買いあさる」これでは品不足になるのは当然のことです。
やはり消費者自身もこのへんをわきまえて、行動していただかないとこまりますね。
消費者に正しい情報を
=消費者代表=
消費者意識がたりないとか消費者はうわさを信じやすいといわれていますが、それではあまりにも消費者がかわいそうです。だれしも家計を助ける意味で安い品物を買うということは常識です。
しかし、うわさを信じやすいということは、それだけ消費者が情報をつかみにくいということではないですか。うわさを流され、それをまにうけてしまう。だれかに私達主婦がおどらされているのではないでしょうか。正しい情報を業者なり行政で流してほしいと思います。
まちまちな値段が多いが…
今までは、どの商品にも定価がついていたのに、最近はついていないものが多くなりました。チリ紙にしても300円から580円に値上がり、その間わずか半月ぐらいですね。そこで、売値がこんなに幅が出ているので、メーカーから出る時も大幅に上がっているかと思えば、今のお話しのように(メーカーから出る時は50円くらいしか上がっていない)あまり上がっていないということです。これではあまりにも消費者をばかにしていますから、メーカーもそれなりの指導をしてほしいと思います。
●みんなで良心的な店を選ぼう
洗剤がない。砂糖がない。紙がない。その上塩もない。ないないづくしの声につられて値だんもエスカレートしていく。朝と晩では値だんが違うなんてばかなことが現実としておきています。この時とばかり、他の品物も便乗値上げし“黒い利潤”をむさぼり、ニコニコの商店や企業があるのではないだろうか。
私達主婦は踊らされぬよう、一歩下がって見る心のゆとりを持ちたいものです。この異常事態を生かし、冷静に判断し良心的な店を選ぼうではありませんか。(山本和子・鈴川5)
●必要なものを必要なだけ買う心掛けを
戦後の品不足の時代は遠の昔にすぎさり、お金さえあればほとんどの品物が簡単に手に入る時代と思っていました。ところが、市内でも最近物不足、それによる物価高と夢にも思っていなかった現象が現われてきました。
特に、毎日使用する家庭用品、中でも洗剤、調味料、チリ紙など一時は店先から姿を消し、たとえあっても1人1品と割当制でした。ほんとうに品物が不足していたのでしょうか?一部の業者の買いしめ、売りおしみに輪をかけて、消費者がわれもわれもと買いあさり、物不足や物価高に油を注いでいるのではないでしょうか。
私達はその都度、必要なものを必要なだけ購入するよう心がけ、自分で自分の首をしめるような行動はつつしまなけれはならないと思います。(鳥居イヨ子・横割6)
- 写真あり -
( 写真説明 ) 買いだめが品不足を……
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