【広報ふじ昭和48年】老人福祉相談員が就職相談などを
老人の悩みや働らきたいという人たちの相談を受ける“老人福祉相談員”を皆さんご存知ですか−。福祉事務所の保護課では、今年の4月から老人福祉相談員を配置して相談を受けています。
これまで相談に訪れた人は182人で、相談内容も、家庭内のことや就職、老後の生活設計など身近な問題がほとんどです。年令層も55才から80才と幅広くなっていますが、最近の傾向として、働ける間は働こうというお年寄りが増え、相談に訪れた人の半数が職業相談です。
すでに45人が就職
相談をはじめてからすでに45人が就職し、毎日元気に働いていますが、多くの人から働くようになって、からだの具合もよく、生活にハリが出たと喜ばれています。しかし、就職についての問題点も多くあります。求人側では労働意欲がひくいということで65才以上の人はあまり歓迎されず、職場(仕事)も限られてしまっています。また、せっかく就職が決まっても厚生年金資格者は、就職すると支給が停止されるため、求職を取り消すケースも多くあります。しかし、仕事についてえりごのみをしなければ、お年寄りが働く職場はまだまだありますので、就職を希望する方は、福祉事務所保護課へ相談にお出かけください。
それでは、現在大平ビルサービスに勤め藤沢薬品の清掃を行なっている鈴木さんと、大興製紙の男子寮で、給食婦として住み込みで働らいている吉村さんにお話しをうかがってみました。
丈夫で働けることが一番のしあわせ
吉村楽子・57才(蓼原 大興製紙男子寮)
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前の仕事がきつくて、無理をしたせいか、からだの調子が悪くなってしまい、仕事をやめてしまったんです。だけどからだの具合がよくなると家にじっとしていられなくて−。
丁度友だちから市役所の福祉事務所で老人に仕事を紹介しているからと聞いたので、さっそく相談に行ってみたんです。その時、この仕事を紹介してもらったわけですが、最初、家族も反対したけど、働けるあいだは仕事をと思ってまた勤めるようになりました。
遊んでいるなんてもったないし、からだに一番毒です。この年になって、なにがしあわせったって、からだが丈夫で、働けることです。びんほうの苦しさはなんでもないですね。
最近、自由時間がたくさんとれるようになったので、新聞を読んだり、むす子の意見など自分なりに考えるひまができたんです。給料はむす子にあてにしてくれるなと言ってあるんです。もらったお金は、まごのオモチャを買ったり、私とヨメでつかっているんです。
自分ばっかりしあわせで、なんかもうしわけないようです。仕事をやりたいと思っている人に、市役所に行けば職業を紹介してくれるからとおしえてやりたいです。今度家に帰ったら近所の人に、知らせてやろうと思っているんです。
毎日の生活にハリが出る
鈴木せい・65才 小須
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就職してまだ4か月しかたっていないけど、前の仕事にくらべだいぶらくになりました。以前勤めていた所が、若い人と一緒で休みもなくついていけなかったんです。
そんなとき、市の広報で、福祉事務所が老人の職業相談をしていることを知り思いきって相談に行ったんです。その時に、この仕事を紹介してもらったんです。
今やっているのは清掃ですが、女ならだれでもやることで、家庭の仕事と同じことだから、仕事がつらいなどと考えたことはないですよ。毎日働らけるし、からだの調子もよく生活にハリがあるんです。
最近は日曜日のたびに福祉センターヘ遊びに行けるので、日曜日がまちどおしくなりました。土曜日に自分の仕事をかたずけて、準備をしてしまうんです。
家のことは若い人にまかせているから手を出さないし、自分たちのしたいようにしてもらっているんです。むす子も「おばあちゃん、働らける間は外に出て働らけば、気分的にも若いし、からだのためにもいいから、無理のないように働きな」といってくれるんです。家族の協力があるからこそ働けるし、ほんとうに健康のためにもいいんですね。
私はこんなにいい仕事を紹介してもらって、ほんとによかったですよ。だけど働きたいと思っても、仕事をさがすのに苦労している人もいるようです。福祉事務所で仕事をさがしている人に、紹介していることをPRして、多くの人に利用してもらってください。
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