富士市 FUJI CITY Official Site

富士市
広報ふじ > 昭和48年 > 昭和48年11月5日 146号 > 【広報ふじ昭和48年】和田川でフナ・ドジョウが大量死

【広報ふじ昭和48年】和田川でフナ・ドジョウが大量死

2か月間に10数回も発生

 水質汚濁防止法の制定で、工場排水が規制されてからは、市内の河川もしだいにきれいになってきました。特に吉原地区の中心街を流れている和田川は、一時は魚も住めなくなっていましたが、最近は橋の上から魚が泳いでいるのを見られるようになったほどです。
 ところが、今年の8月初旬ごろから公害課に「和田川の東海フルーツ付近で魚が浮いています。」とひんぱんに電話がかかってくるようになりました。8月から10月までに10回余りも通報があり、これまでに約1万匹のフナやドジョウが死んだり浮いたりしました。
 公害課では、連絡が入るとその都度現場にかけつけ、水や魚を採取して捜査を行なってきましたが、どこから流れ出た汚水が原因になったのかほとんどわかっていません。原因がわかったのは明治製紙で薬品を貯蔵しておくタンクにひびが入って、中の硫酸バントが流出したもの1件だけです。
 これまでに魚が大量死した時の状況を発見者に聞いてみると、白くニゴっていた時と何の変化もない時があったそうです。これを公害課が分析した結果と状況を照らし合わせてみると、白くニゴっていた時は製紙工場から流れ出た汚水や家庭汚水などによるものと思われます。また、普通の状態で魚が浮いた時はメッキ工場などで取扱っているシアンが検出されていますからこれが原因となっていると思われます。
 しかし、はっきりとした原因がつかめないため、10月18日から、和田川上流周辺60か所に及ぶ工場の排出口などを重点的に調査しました。この中にはメッキ工場をはじめ、防腐剤を使う材木工場、漂白剤を使うクリーニング店、カラー現像液を使う写真店などがあります。

原因を追求するためみなさんのご協力を

和田川は3,750メートルの2級河川

 和田川は、三日市の六所浅間神社を起点に、大月線を横切り、吉原公園、旧吉原事務所跡の南側から日産の東側を流れ田子浦港の貯木場に流れ込む延長3,750メートルの2級河川です。昔は六所浅間神社のわき水を水源にしていましたが、今ではわき水もほとんどなくなり、家庭汚水や製紙汚水、雨水、一部の農薬用水が流れ込んでいます。
 魚が苦しんでプカプカ浮いているからと連絡が入り、すぐに現地に行って死んだ魚や苦しんでいる魚は採取できますが原因となった水はほとんど流れてしまっています。したがって採水した水を分析してもあまり汚れがなかったりしています。このため原因究明が思うように進みません。せっかく魚が住むようになった川を守るため市でもきびしい監視を行なっていきます。みなさんも魚が大量に死んだり苦しんで浮いているのを見つけたり、異常事態を発見したら、ただちに公害課へご連絡ください。なお、魚の死んだ原因を調べるには、次のようなことが必要ですのでご協力ください。

■発生時刻の確認
■採水
 水を分析するには、3リットル以上の水が必要です。1升ビンなら2〜3本、ビールビンなら4〜5本です。
■魚の採集
 死んだ魚は、できるだけ早く1キログラム以上採集してください。
■現場の観察
 上流に目を向け、水のよごれ、死んだ魚の種類、大小、だいたいの数、魚の苦しんでいる状況などを観察します。どんな小さなことでも原因追求の手がかりになりますのでご協力ください。
- 図表あり -
( 図表説明 ) 和田川河川図
- 写真あり
添付ファイル
※PDFを初めてご覧になる方は、ソフト(Adobe Reader)のダウンロードが必要です。
「Get Adobe Reader」のボタンをクリックし、説明に従いAdobe Readerをダウンロードして下さい。
Get Adobe Reader
広報広聴課 (市庁舎8階北側)
電話:0545-55-2700 ファクス:0545-51-1456
メールアドレス:kouhou@div.city.fuji.shizuoka.jp
〒417-8601 静岡県富士市永田町1丁目100番地 電話 0545-51-0123 ファクス 0545-51-1456
E-mail kouhou@div.city.fuji.shizuoka.jp