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【広報ふじ昭和48年】まだ処理区域は市街地の14.6パーセント

 富士市の下水道は10数パーセント設備されているとの事ですが、富士地区には全々無いと思います。文化のバロメーターというなら、なぜもっと積極的に取り組んでもらえないのでしょうか。三鷹市(下水道設備100パーセント)のようには、すぐに実施できないでしょうが、市の取り組み方ひとつで、どうにでもなると思います。人口の増加、生産出荷額の増加にふさわしい環境設備の整備をより一層進めてください。市政モニターの佐野雅子さん(平垣本町)から、下水道の整備についてこのようなご意見がありました。そこで、市が現在進めている下水道の拡張事業など、下水道のあらましをお知らせいたします。

53年までに1,400ヘクタールの整備を…

 富士市で下水道事業に着手したのは、吉原地区で昭和34年、富士地区が昭和39年です。
 吉原地区の場合、公共下水道の認可を受け、処理場の建設と下水道管の布設を行なってきました。これまでに240ヘクタールが処理区域となり、21,420人分の処理ができるようになりました。使用をはじめたのは昭和40年からです。
 富士地区は都市下水路の認可を受けてこれまで下水道管の布設を行なってきましたが、昨年、公共下水道に切替え、新たに富士地区の一部の事業認可を受け、本格的に公共下水道として今年度から工事にとりかかります。
 両方の処理区を通じて下水道が使用できる地域は吉原地区の240ヘクタール。これは市街地面積1,650ヘクタールに対し、わずか14.6パーセントにすぎず、ご指摘のように全国平均19パーセントを下回っています。
 ところで、下水道の整備のおくれは、富士市に限らず他市町村にもいえます。このため、国では来年から昭和53年までに実施する第4次下水道整備5か年計画をつくっていますが、総事業費は8兆5,000億円といわれています。
 そこで国の計画をもとに富士市も昭和53年までに、130億円の事業費をもって1,400ヘクタールの処理区域を設定し107,000人の処理能力を持った処理施設を建設していくように計画しています。なお、富士市全体事業計画の目標は昭和70年です。最終的には処理区域は6,326ヘクタールで、336,000人が利用できるようにします。
- 図表あり -
( 図表説明 ) 下水道のしくみ

富士処理場の完成は昭和52年度

−4万人分の汚水を処理−
 富士処理区の下水道整備は、当面、富士駅を中心とした市街地248ヘクタールを処理区域とします。
 処理場は新浜に建設しますが、第1期工事が完成する昭和52年度には、1日に40,750人分、40,025立方メートルの汚水を処理できるようになります。処理場の建設費は25億1,600万円で、53,260平方メートルの敷地に沈澱池やエアレーションタンクなどの汚水処理装置、管理棟などをつくります。なお、汚水処理装置は地下式を採用しました。
 また、下水道管はこれまでに2,249メートルを布設しましたが最終的には総延長91,593メートルとなり、処理場に集めた汚水は標準活性汚泥法で処理し“きれいな水”にして放流します。
- 写真あり -
( 写真説明 ) 富士処理場の完成予想図

事業を進めるため46年から受益者負担金制度を採用

 下水道の必要なことがよくわかっているのに、実際にはなかなか普及しません。
 理由としては、ばく大なお金がかかるためといえます。下水道が公共事業といっても道路や河川と違い、利益を受けるのは、下水道のできた地区の市民に限られてしまいます。そこで、下水道の設置によって利益を受ける方に、事業費の一部を負担していただいています。これを受益者負担金制度といいますが、富士市では昭和46年からはじめました。
 この制度を取り入れたことによって、国も優先的に補助金を出してくれたり、お金を貸してくれるので、多額の事業費が投入でき、事業が進みます。
 負担金を納めていただく人を受益者といいますが、下水道区域内に土地を持っている人が該当します。なお、正式な契約をして土地を借り、家を建てた場合、だいたい家屋の所有者が受益者となります ただし、借家人は受益者となりません。
 負担金の納付決定は、毎年度の始めに納めていただく人にお知らせしますが、5年分割で納めていただきます。
排水工事の申込みは指定工事店へ

 下水道施設が使用できる区域内では、家庭汚水を下水道に流さなければなりません。また、くみとり便所も原則として3年以内に水洗便所に改造することが義務づけられています。まだ区域内で利用していない家は早く設備をしてください。
 利用する場合は、下水道課へ届けをし許可を受けてください、届けは市が指定した工事店で行なってくれます。
 なお、工事は指定工事店でなければできません。市で指定した業者は、経験のある技術者がおり、安心して工事をまかせられます。


水洗便所の改造資金の貸付けが

 排水設備(水洗便所)をしたいけれど一度にお金がかかるので工事はまだ………という人のために、改造資金の貸付けも行なっています。貸付額は10万円で、利率は1銭8厘、30か月の月賦返済です。富士信用金庫で取扱っていますから気軽にご利用ください。ただしこの制度は新築の場合は利用できません。
 下水道の維持管理や処理場の管理経費の一部に当てるため、使用料を納めていただきます。使用料は、市の水道を使用している場合、毎月の水道料金の2分の1、自家用の井戸などを使っている場合、毎月の排除汚水量を認定します。認定した汚水量つき、一般家庭は1立方メートル15円、公衆浴場は1立方メートル5円いただきます。
- 写真あり -
( 写真説明 ) 処理槽の増設工事で処理能力アップを
( 写真説明 ) 9万メートルの下水道管を布設
添付ファイル
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