【広報ふじ昭和48年】男女とも神経痛が多い
農業従事者の健康調査結果
農業者を対象にした健康診断の結果をみると、半数の人がからだの異常を訴えます。忙しい時は、朝早くから夜おそくまで、自分の健康のことも考える暇もなく働いてしまう、こうしたことがつみ重なって、異常を訴える人が多くなるようです。最近は食生活、生活環境、労働条件は改善されてきましたが、まだまだ考えなければならない問題も多くあります。それでは、市内の農業者を対象に行なった健康診断から、全体的な傾向をみてみました。なお、健康診断を受けたのは男子が77人、女子が376人の453人です。
まず、これまでにかかったことのある病気では、男女とも神経痛が最も多くなっています。次いで多いのは女子が貧血、高血圧、痔、男子では痔、肝臓疾患、貧血などの順となっています。
自覚症状調査では4割の人が腰の痛み、全身がだるい、疲れがとれないなどとうったえています。また、農夫症も全体的に有症率が高く、異常を訴える人が女子で71パーセント、男子でも63.7パーセントと多く、農業者は疲れているといっても過言ではありません。疲労が重なると動脈硬化症、高血圧になりがちでが、症状が出るまえに過労にならないよう注意しなければなりません。
また、以前かかったことのある病気や現在かかっている病気の中で、神経痛の多いことは、生活環境の問題もありますが、働きすぎが大きな原因となっていると思われます。もうひとつみのがすことのできない病気に肝臓障害があります。これは男子に多いので、酒やタバコの影響も考えられますが、疲労も影響を与えています。
スタミナのある人は少くない
富士市の農業従事者の平均体位は、全国平均に比べて劣っていませんが、ベルベック指数(栄養状感の指標)でみると疲れのためやせている人が17パーセントもありました。体力をまず肺活量でみると、肺の換気量が大きければ、肺や心臓の働きが強く、酸素の利用率も高いので、スタミナのあるからだと言われますが、男子で70パーセント、女子で60パーセントに何らかの異常がみられ、スタミナのある人は少ないと言えます。また、握力、背筋力は女子の場合、年代の高まるにつれて劣ってきていますが、男子では30才から40才のもっとも働きざかりの人に低い人が比較的多くみられました。
運動をすれば筋肉が発揮する力が強くなり、作業能力も高まると言われていますが、肉体労働者といわれる農業者でも筋の持久力は劣ってきています。これは自動車の普及で歩かなくなったことや、農業労働によって使う部分が片寄るなど運動不足が原因となっています。
丈夫なからだがあればこそ仕事ができるわけですから、婦人が中心となってより積極的な生活改善を進めることが大切です。元気で働くための栄養の確保、適正な働き方の工夫と実行、病気の予防、健康なからだをつくるための体育の実行など、一度に全部はできないと思いますが、身近かなものばかりですから、真剣に考えてください。
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