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【広報ふじ昭和48年】9月はガン制圧月間

 40才以上の人に多く発病する病気をまとめて成人病と呼び、大きくは循環器系(脳卒中、心臓病)とガン(悪性新生物)のふたつに別けることができます。このうち、ガンの死亡率は脳卒中に次いで第2位を占め、昨年のガンによる死亡者が全国で12万7,000人ですから、約1,000人に1人が死亡していることになります。
 しかも、ガンにかかる人は健き盛りの人に多く、生活に与える不安は大きなものがあります。
 ガンは初期に自覚症状がありません。現在発生原因について研究が進められていますが、まだすべては解明されていません。ガンを予防するには定期的に健康診断を受け、ガンを早期に発見することです。
 ガンといえば不治の病という観念が現在でも強いようですが、医療技術の進歩で、いまや早期のガンであれば適切な治療により、ほぼ100パーセントなおるようになりました。とくに、日本人に多い胃ガンや子宮ガンは、診断技術の進歩によって比較的容易に早期発見できるようになりました。
 そこで、市立富士中央病院で実際にガンの治療に当たっている外科・胃腸科の樫村好夫医長に、ガンの治療などについて述べてもらいました。

治療の決め手は早期発見

市立富士中央病院外科・胃腸科医長 樫村好夫


42年から胃検診をはじめる

 ガン征圧のためには、総合的な研究が必要であることはいうまでもなく、例えば発ガン物質の研究とか、ガンに対する免疫薬の基礎的なものから、いわゆる早期発見、早期治療、そして社会復帰という臨床的な面まで、広く検討されています。
 市立中央病院では6年前から、成人病検診の一環として,胃の集団検診を行なっています。これには、病院側もさることながら、市の衛生部および市民の積極的な参加により、着々とその実績を上げています。
 しかし、現在では、残念ながら胃ガンの治療には早期発見、早期手術以外に根本的な治癒は望めません。胃ガンの早期発見のためには胃のレントゲン検査や、胃液検査のみでは十分でなく、胃の内視鏡(胃カメラ)検査を合わせて行なうことが最も重要です。胃カメラは、胃の内面の粘膜を観察するもので、非常に小さな病変まで診断することができます。昨年は直径4ミリメートルの早期胃ガンを発見いたしました。一口に胃カメラといっても検査の目的により、カメラの種類が違います。現在、日本で用いられているものには、大体次の5種類であります。
1.食道ファイバースコープ
2.ファイバースコープ付ガストロカメラ(胃カメラ)
3.十二指腸ファイバースコープ
4.直視型ガイストロファバースコープ
5.生検用ガストロファイバースコープ       
 市立中央病院には、これら5種類の内視鏡が全部揃っており、病変部の場所、広がりなどにより、組合せて日常の検査を行なっています。年間約1,600例の検査を行なっていますが、静岡県東部では最も多い検査数です。
 胃カメラを飲むのは苦しいといいますが、事実レントゲン換査ほど楽ではないでしょう。胃カメラに対する不必要な不安感が、苦痛を増す原因になっているのではないかと考えています。実は私も4回胃カメラの検査を受けましたが、それほど苦しいとは感じませんでした。今後も必要なら、胃カメラの検査を受けようと思っています。
 進行した胃ガンの治癒率は非常に低くいずれは再発するものであります。
自覚症状の現われる前に検査を

 自覚症状の現われる前に、胃の検査を行ない、ガンの発見に努めなければなりません。ここに、胃の集団検診の重要性があるわけです。市の衛生部、病院のみでなく、市民の理解と積極的な参加があってこそ、十分な効果が期待できます。
 ガン征圧月間にあたり、私達が日常行なっている胃内視鏡検査について述べました。
- 写真あり -
( 写真説明 ) 胃カメラに対する不安が苦痛をます…
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