一酸化窒素は高濃度を測定
…名古屋、大阪に匹敵…
市内の大気汚染(イオウ酸化物)は、毎年すこしづつ減少しています。測定は富士保健所、元吉原中学校など9か所の固定局で常時行なっています。しかし、このほかの地区の汚染調査は、これまであまり実施していませんでした。そこで市内全体の汚染状況を知るために、公害測定車の「青空号」が各地区を回って測定を行なっています。
現在は富士と富士宮の境界(天間)でオキシダントを中心に測定していますが、このほど今年の1月から5月までの測定結果がまとまりましたのでお知らせいたします。調査地点は柳島の東芝寮前と前田の富士化工前、富士と沼津の境界にあたる植田の3か所です。
柳島では1月17日から2月15日までの30日間に、イオウ酸化物、一酸化窒素、二酸化窒素の3物質を測定しました。この結果、イオウ酸化物の期間平均値は0.04PPMでした。この測定値は、常時測定点の勤労青少年会館と同じくらいで、国が示している環境基準値の0.05PPM以内にあります。しかし、市内全体の平均値は0.037PPMですから、すこし高くなっています。
大気の汚染は気象条件、特に風の方向に大きく左右されるものですが、測定地点の風向は、発生源工場の多い北からが50パーセント以上も記録されました。このようなことから年間の濃度を予測すると、柳島地区においてはこれ以上高くなることは考えられません。
窒素酸化物は、一酸化窒素が0.026PPM、二酸化窒素が0.044PPMで、国道1号線のアストロボール付近に比べかなり下回っていますが、名古屋、大阪に匹敵する汚染です。
前田では3月1日から3月29日まで行ないましたが、測定物質は一酸化炭素を新たに加え4物質について調べました。イオウ酸化物は期間平均0.04PPMで、柳島と同じくらいの汚染度です。また、一酸化窒素も0.02PPM、二酸化窒素0.043PPMで、同じような汚染状況です。
なお、一酸化炭素は、測定地点が自動車の通行が比較的少ない所なので、2.31PPMと環境基準の10PPMを大幅に下回っていました。
植田地区の測定は、4月11日から5月9日まで行ないました。判定物資はオキシダントなども入れて8物質になりました。
測定物質の期間平均値は、イオウ酸化物が0.026PPM、浮遊粉じん0.034mg/立方メートル、一酸化窒素0.012PPM、二酸化窒素0.029PPM、全炭化水素0.68PPM、飽和炭化水素0.38PPM、一酸化炭素1.69PPM、オキシダント0.037PPMで各項目とも全体的に低い値を記録しました。
イオウ酸化物の0.026PPMは、常時測定点の大渕地区に相当します。なお、一酸化炭素、炭化水素については、測定場所が田園地帯のために、低い濃度が記録されました。
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