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【広報ふじ昭和48年】PCB 自然界を循環して対内に蓄積される

テレビ、冷蔵庫などに使用されている

 ××湾の魚介類から高濃度のPCBを検出−などと、現在PCBによる汚染公害がおおきな社会問題となっています。すでに、PCBの毒性はカネミ油症事件などでご存知のように、生命までもうばってしまう恐しい物質です。
 反面、PCBはすぐれた特性があり、これまでコンデンサーやトランス、感圧紙、塗料などに使用されてきました。しかし、このような毒性から生命を守るために、生産は47年6月に中止され、PCBを使用した電化製品の製造も47年8月には完全に中止となりました。
 こうして、PCBは現在使われていませんが、すでに一般家庭に出回っているものも多く、私たちの日常生活に欠くことのできないテレビ、冷蔵庫、洗たく機などに使われています。これらの電気製品に使用されている間は、金属などで完全に密閉されているので心配はありません。心配なのは古くなったり故障したりして捨てられたときです。密閉してある金属が破れ、PCBが大気中に放出されたり、川や海に流れ込み自然界を循環して体内へはいってくることが予想されるからです。
 PCBは科学的に安定した性質のため、体内に入ると分解も受けにくく体内に蓄積し、中毒症状をおこします。中毒は普通、急性中毒と慢性中毒に区分され、急性中毒は短期の作用で、激しい症状をもたらし死亡率も高くなっています。慢性中毒は、毒物が少しづつ体内にたまるので、じょじょに影響が現われてきます。

PCBの使用部品を完全回収

 そこで、これ以上PCBによる環境汚染を広げないようにと、市では県の指導のもとに、家庭電化製品のうちPCB使用のコンデンサーやトランスなどを完全回収することになりました。
 PCBを部品に使ってある電化製品は昭和30年から47年までに製造された、電子レンジ、ルームエアコン、テレビ、換気扇、扇風機、かくはん式洗濯機、400W以上のけい光灯、井戸ポンプ、旧型の掃除機などです。これらの廃品から、PCBを使用したコンデンサー、トランスなどの部品を取り除くわけですが、回収した部品は、メーカーが責任を持って公害にならないよう処理することになっています。
 なお、市内の家庭電化製品小売業者で下取りなどを行ない廃棄処分する場合は環境整備課の指示に従ってください。したがって、みなさんがこれらの電化製品を廃棄物として捨てるときは、危険物の集収場所へ出してください。
◇PCB

ポリ塩化ビフェニール
石炭や石油を原料としてつくられるビフェニールという化合物の水素が塩素に置き変わったものでDDTに似た構造をしています。その性質上、廃業処理が困難で環境汚染源のひとつとなっています。
PCBか体内にはいる経路
- 図表あり -
- 写真あり -
( 写真説明 ) テレビのコンデンサーにもPCBが
添付ファイル
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