富士市 FUJI CITY Official Site

富士市
広報ふじ > 昭和48年 > 昭和48年6月25日 137号 > 【広報ふじ昭和48年】みんなで住みよい環境づくりを

【広報ふじ昭和48年】みんなで住みよい環境づくりを

盛り上がった環境週間

 住みよい環境づくりと口で言うこと簡単ですが、私たちの富士市はまだまだ住よい環境とはいえません。住みよい環境づくりのため市でも努力していますが市民みなさんの協力が必要です。
 昨年6月にストックホルムで開かれた国連人間環境会議で「かけがえのない地球」を守るために、環境週間が設けられました。今年は第1回目で、6月5日から環境週間がはじまりました。
 富士市でも1日ごとに趣向をこらした各種の行事を実施しました。5日の環境デーには、広報無線放送を通じて市長宣言。6日の環境を語る日は、各種団体の代表者で環境問題懇談会。7日の環境を知る日は工場見学や青空号の公開。8日と9日の環境を作る日は、海岸や公共施設などの大掃除。10日の環境を守る日は工場の1日休業や操短。11日の環境を考える日は、大石武一元環境庁長官の記念講演を行ないました。
■環境を守るために渡辺市長が宣言を

6月5日は環境デー
 渡辺市長は、広報無線放送を通じて午前7時30分から市長宣言を行ないました。
「みなさんお早ようございます。富士市長の渡辺彦太郎です。きょうから環境週間がはじまります。わたくしたちは、この週間を機会に、かけがえのない地球を守るため残された自然を守り、失なわれた環境をとりもどすことを考えたいと思います。そこで、この環境週間にあたり、次のとおり宣言します。“市民の健康と生活環境の保全”はすべてに優先するものであり、そのために富士市は全市民の力を結集し、豊かな自然環境の確保につとめることを誓います。」


■自然の保護に活発な意見が

6月6日は環境を語る日
 環境問題懇談会を午前10時から、渡辺市長をはじめ各種団体の代表者が出席して行ないました。
 懇談会では、生活環境問題や自然環境問題について活発に意見の交換を行ない環境保全と改善のため努力を続ける決意を新たにしました。
 また、この日、富士・愛鷹山麓の乱開発を防止しようと“富士・愛鷹山麓自然を守る市民の会”が結成されました。
- 写真あり -
■環境保全を願い風船上げ

6月7日は環境を知る日
 元吉原小学校では全校生徒が環境保全を願い、花の種などを付けた風船を上げました。また、風船上げのあと5・6年生に環境監視測定車の“青空号”を公開しました。みんな青空号を見るのは、はじめてとあって全員が市公害課職員の説明を熱心に聞いていました。
- 写真あり -

 中学校全校と商業高校の化学部、新聞部の生徒が工場見学を行ないました。吉原第二中学校の富田君が次のような感想文をかいてくれました。

吉原第二中学校2年 富田和彦
 “公害の町”富士市で育ったぼくは、公害について小さい時から関心をもっていました。そしてぼくは、公害と聞くと、すぐ、工場が悪いんだな、と思ったのでした。
 環境週間に市の行事としていくつかの工場の見学をしました。会社の人の説明を聞いているうちに、今まで自分が考えていたことが正しいのかな、と不安に思えてきました。
 というのは、新聞やテレビなどで報道されているのでは、会社はヘドロを出したり、空気を汚したりして悪いと思っていたのに、会社でも公害と戦っていることがわかったからです。そうした努力を少しもみようとしなかった自分の考えを大きく反省しました。だけど、まだ公害がヒドイ、という感じはどうしてもなくなりません。企業が公害をなくすために、巨額の投資をしていることはわかりましたが、もっともっと住みよくするために努力してほしいと思いました。
 企業の実態を少しでも知り、反省したあとで気がついたことがあります。会社が空気を汚したり、川を汚すのが公害ですが、ぼくたち市民が川へゴミを捨てたり、野山で木や草花をとったりするのも一種の公害ではないだろうかということです。公害といえば何んでも会社が悪いと決めつけがちですが、草木を守り、川や道にゴミを捨てない努力をしなけれはならないと思います。
 そうした心が、かけがえのない地球の自然を守ることではないでしょうか。ぼくは、環境週間を機会にそうした心をもった人がふえることを祈り、自分も努力したいと思います。
- 写真あり -
■海岸や公共施設の清掃

6月8日と9日は環境を作る日
 8日には産業廃棄物処理の監視パトロール、不法看板の撤去、自動車排気ガスの点検、9日は海岸や公共施設の清掃などを行ないました。
 自動車排ガス点検は、一般通行車両を市道長沢下田線の富士中央車検場前で行ないました。この結果、300台中未調整車は13台あり、車検場内で排ガス点検を実施し、警告書を交付して調整を行なうよう指導しました。
 元吉原海岸の清掃は、田子の浦港の西側から沼津市との境界までの3.6キロメートルで、元吉原小学校区の子ども会や社会奉仕団、市職員約2,000人が参加して行ないました。波打ち際から海岸堤防までを2時間にわたって実施しましたが、汚れていた海岸も見違えるようになりました。
 また、臨港富士線中央分離帯の清掃は、花の会や婦人会など各種団体と吉原商業高校1年生の約900人が参加して行ないました。草取り、芝刈りなどで、道路も一段とさわやかになりました。
- 写真あり -


■工場も環境美化に協力

6月10日は環境を守る日
 工場の1日休業や操業短縮、ペーパースラッジの処分地処理状況を見回りました。工場の1日休業では、チリ紙工場約60工場がほとんど休業しました。
 また、大手32工場のうち9工場が休業、17工場が一部休業や操業短縮など、2工場が燃料を低イオウ重油に転換しました。このほか60工場で、工場周辺の清掃や木や花を植えたり、付近の公園などの美化に協力してくれました。
■大石元環境庁長官が記念講演

6月11日は環境を考える日
 大石武一元環境庁長官が“環境保全と地域開発”についての記念講演を農協会館で行ないました。
 大石氏は、環境行政の先鞭をなした人だけに、講演には熱が入っていました。まず、「環境問題は日本だけでなく、今や世界的に共通する課題となっている。自然破壊となる経済発展は、将来人類の危機を招く、すでに人間の精神はむしばまれつつある。環境を取り戻すには行政や企業の姿勢、処理技術の開発などはもちろんのことだが、地域に住むすべての人がヒューマニズムに立った公衆道徳意識を養うことが大切である。」さらに具体的な例をあげ、公害対策、環境保全を推進するのは、住民の結集した力によるものであると力説し、全域のひとりひとりに感銘を与えました。
添付ファイル
※PDFを初めてご覧になる方は、ソフト(Adobe Reader)のダウンロードが必要です。
「Get Adobe Reader」のボタンをクリックし、説明に従いAdobe Readerをダウンロードして下さい。
Get Adobe Reader
広報広聴課 (市庁舎8階北側)
電話:0545-55-2700 ファクス:0545-51-1456
メールアドレス:kouhou@div.city.fuji.shizuoka.jp
〒417-8601 静岡県富士市永田町1丁目100番地 電話 0545-51-0123 ファクス 0545-51-1456
E-mail kouhou@div.city.fuji.shizuoka.jp