昨年12月31日現在で、工業統計調査を実施しましたが、このほど県下の調査結果が発表されました。
昨年は、前年の国際通貨危機の収拾によって、経済をとりまく不安定な要因は一応とりのぞかれました。これに加え、公共投資の効果も現われ、金融緩和のもとで国内景気も回復してきました。
このような経済動向のなかで、県下の工業製品出荷額は前年に比べ12パーセント増える3兆4,265億円となりました。しかし、伸び率は41年以降では低く、46年の10.9パーセントをやや上回ったにすぎませんでした。
富士市においてもやや伸びなやみが見られ4,788億9,338万円と前年の4,568億360万円より、わずか4.8パーセント伸びたにすぎませんでした。
輸送機械が大幅に伸びる
出荷額を産業別構成比でみるとパルプ・紙が依然として多く1,909億8,990万円で40パーセントを占めています。これに対し、他の産業の占める割合は、輸送機械が大きく伸び977億6,576万円で20.4パーセント(昭和46年761億6,125万円、16.7パーセント)を占め第2位となりました。しかし、前回の大幅な伸び率をしめした化学工業は、670億2,529万円の14パーセント(954億9,471万円、20.9パーセント)と減少しました。このほか、電気機械は537億2,477万円の11.2パーセント、一般機械は254億1,014万円の5.3パーセント、食料品は115億4,999万円で2.4パーセントなどとなっています。なお、輸送機械や化学工業など重化学工業の占める割合は53.5パーセントとパルプ・紙や食料品など軽工業を上回り、産業構造に大きな変化がみられています。
事業所数は1,307事業所で前年より139事業所増加しました。産業別ではパルプ・紙352事業所が367に、一般機械200事業所が224に、金属製品108事業所が139に、輸送機械46事業所が62に、電気機械35事業所が47になりました。
従業者数は、4万6,823人で前年より1,294人増加しました。しかし、昭和44年以後、年ごとに増加率は減少しています。産業別では、紙・パルプが2万8,276人、輸送機械8,658人、電気機械4,502人、化学工業4,182人、一般機械3,991人などとなっています。前年に比べると重化学工業部門では全体的に伸びていますが、軽工業のパルプ・紙、衣服、繊維工業、木材・木製品は減少しました。