ブルドーザーの響きが毎日続く……。昨日までの十字路は三差路になり、道幅は拡げられたが、そこにあった道祖神の姿が消えている。あとにはただ横断歩道の白いペンキだけが宙に浮いている。道祖神をどこえもっていってしまったのだろうー。
この何年もの間、事故ひとつなかったことが、何となく道祖神のおかげではないかと思ったりもする。このよつつじはおよそ50年くらい前まで、ナシ畑専用の農道にすぎなかったという。
つい最近まで、道祖神にはどんど焼が近づけばタンゴの小枝が、ウラ盆ともなればダンゴやおひねりがあがり、お線香のけむりは人々の足を止めさせたりしたものだ。
登呂遺跡にはじまる古代遺跡の保存が昨今話題になるが、そんな大げさなものでなく、私たちはこのような素朴な民俗の伝承を考えていくべきではなかろうか。 (時田徳子・水戸島)
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( 写真説明 ) 市内のあちこちに残っている道祖神の保護を