富士市公害対策審議会から答申された「イオウ酸化物に係る基本的な考え方」をもとに「富士503計画」をつくりましたが、計画を達成するため市内の120工場に対し、このほど説明会を開き協力を要請しました。503計画については前号ですでにお知らせしましたが、概要について簡単に述べます。
大気汚染を減少させるため、法律では亜硫散ガスの量を煙突の高さに応じて、地上濃度で基準を決めています。しかし1本1本の煙突が基準を守っても、工場が密集していると重合したり、複合して高濃度汚染が現われます。このため、富士市に合った削減方法を検討してきました。この方法は、実際に測定した資料をもとに「どこの煙突が」「どの地域を」「どのくらい汚しているか」ということを調べ、汚している程度に応じて削減率を決めたものです。
対象地域は、西は富士川から東へ15キロメートル南は海岸から北へ12キロメートルの180平方キロメートルです。180平方キロメートルの中に基点を市庁舎に置き、1平方キロメートルの格子に切り、それぞれの平均濃度を計算で出しました。この推定濃度は煙突ごとに影響を調べだしたものですから、昭和50年度に0.03PPmという環境目標値を達成するには、どの煙突の排出量を、どれくらい減らしたらよいかということがわかります。
このようにして、各煙突に対するカット率を出しましたが、平均56パーセントのカットをしなければ環境目標は達成できません。しかし、すでに亜硫酸ガスの除去や煙源の改善を行なっている企業とそうでない企業があります。そこで企業努力をプラス、マイナスしないと「公正」を欠くことになりますから、それぞれの削減率に補正しました。
こうして煙突ごとに出した削減率を各工場に示し、渡辺市長は「市民の健康を守るため目標達成に最大の企業努力をしていただきたい」と協力を要請しました。
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( 写真説明 ) 渡辺市長から120工場に協力を要請