昨年1年間に市内で発生した交通事故(人身事故)は1,048件(昭和46年1,372件)、死者31人(43人)、傷者1,327人(1,768人)と昭和46年に比べ大幅に減少しました。とくに死者は、昭和45年県下1位を示した56人のほぼ半数となり、昭和34年以来13年間続いた死者数40人以上という記録に終止符を打ちました。
このように件数、死者、傷者も大幅に減少したのは、交通指導、取締り、安全施設の充実などを積極的に行なった結果と、運転者の安全意識の向上などからと思われます。なかでも交通規制、交通安全施設などについては、2地域69区間235か所におよぶ速度制限、駐車禁止、一方通行、大型車通行止めなど、交通規制の拡大強化。交差点にはセンターポール、ポイントブロック、ロードフラッシャーなどを26か所へ設置。このほか道路標示、ガードレール、交差点改良などを行ないました。文字通り死者半減を合言葉に努力し事故防止は不可能でなく、やればできるということを如実に物語っています。
また、交通事故の原因が飲酒運転や速度の出しすぎ、信号無視など無謀運転によるものが約40パーセントを占めていることは、運転者の安全意識いかんにより未然に防止できることを示しています。歩行者の交通事故も同様に、交通ルールをしっかり身につけ「交通事故から自分を守る」という意識が必要です。
全事故は大幅に減少しましたが、こどもの事故は222件と全事故に占める割合は21.2パーセント(昭和48年16.9パーセント)と多く、とくに幼児のとび出し事故、小中学生の自転車事故が多発し、さらにふえる傾向にあります。しかも幼児の事故は母親が同伴中のときであり、母親の交通安全意識の高揚と小中学生に対する安全な自転車乗り方指導など、今後の事故防止対策を進める上での重要な課題です。