【広報ふじ昭和48年】悪臭防止法が1月1日適用
悪臭防止法が1月1日から施行されます。規制を受ける物質は、アンモニア、メチルメルカプタン、硫化水素、硫化メチル、トリメチルアミンで、クラフトパルプの製造や畜産農業などによって発生するものです。このため、防止法によってこれらの発生源に対しては、規制基準の遵守を義務づけていますが、違反して悪臭物質を発生させたり、改善命令にも従わない場合は罰せられることになります。それでは、悪臭防止法のあらましをお知らせします。
悪臭に対する苦情は半年で44件
悪臭は嗅覚という人の感覚によって感じられるもので、多くの都市で社会問題となっています。富士市においては、製紙産業とくに紙の蒸解に伴って発生する悪臭は独特の臭気とされ、クラフトパルプ製造の開始により、倍増されました。
しかし、市民の公害に関する認識、関心の度合、地場産業の特殊性による順応などにより、悪臭の苦情はあまりありませんでしたが、昭和44年ごろからじょじょに増え、昨年は半年の間に44件も出てきました。また、昨年9月実施した悪臭意識調査においても、工場地帯のほとんどの市民が悪臭を感じていることもわかりました。
ところが悪臭公害の規制の遅れは、悪臭がいわゆる感覚公害で直接的に健康被害を引き起こすおそれがないこと、悪臭の防止技術の開発が遅れていたことなどにより、法律による一方的な規制が行なわれなかったことなどが原因となっています。しかし、近年これらの技術的な問題の多くが解決され、規制する法律の規定を望む声も強く出ていたことなどから悪臭防止法が制定されました。
アンモニアなど5種類が規制の対象に
悪臭防止法は、工場や事業場における事業活動によって発生する悪臭物質の排出を規制することによって、生活環境の保全、健康を保護するものです。規制を受けるのは、住宅地域や学校、保育園病院など多くの人が利用する特別な施設や周辺地で、すべての事業場が対象になります。この規制地域は県知事が市町村長の意見を問いて定めましたが、県内では、富士市をはじめ浜松、静岡、清水など8市が指定されています。
悪臭の原因となる物質は個々に規制されますが、当面アンモニア、メチルメルカプタン、硫化水素、硫化メチル、トリメチルアミンの5種類です。
なお、市内で最も問題がある悪臭は、クラフトパルプの製造工場から出るもので、メチルメルカブタン、硫化水素、硫化メチルが主な成分で、たまねぎや卵、キャベツの腐ったような複雑なにおいがします。
富士市の指定地域は都市計画区域で分け、2段階で規制されます。市街化調整区域は、最も厳しいAランクです。市街化調整区域とその他の区域は、イオウ系(硫化水薬、メチルメルカプタン、硫化メチル)に厳しく、窒素系(アンモニアトリノチルアミソ)には中庸なEランクで規制しています。なお、基準は事業所の敷地境界線、煙突などの気体排出口、排出水に係る場合の3つに分けられていますが、当分の間、排出水に係る場合だけ除外して規制されます。
以上が悪臭防止法のあらましですが、これらの規制基準に違反していると、発生源の事業所に対しては、改善勧告、改善命令を出しますが、従わない場合は罰せられます。
- 図表あり -
( 図表説明 ) 悪臭防止法規制図
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