大気汚染を監視し市民の健康を守るため、市では昭和43年からイオウ酸化物などの測定をはじめました。その後大手企業と公害防止協定を結んだのを手始めに電池の低イオウ化、煙突の改善など各企業の協力のもとに公害防止をはかってきました。この結果、年ごとにイオウ酸化物の濃度は低下し、国の環境基準達成まで全測定点、あと一歩とせまりました。
しかし、富士市公害対策審議会から、市民の健康を守り、住みよい生括環境を確保するためには、イオウ酸化物濃度の環境目標値は0.03PPmが望ましいと答申がありました。このため、富士市におけるイオウ酸化物濃度については、国の環境基準と、市民の生活環境を守るための目標値も達成しなけれはなりません。
それでは、昭和44年7月から47年6月までのイオウ酸化物測定結果(下図)が、さきごろまとまりましたので、見てみましょう。
監視をはじめたころに比べ、全体的な汚染の減少はみられますが、依然として元吉原中学校、富士保健所は高い濃度が記録され、市内の汚染の中心地区となっています。しかし、この測定点は他に比べると、工場地帯の中心地であり、海岸に近いところから、常に海陸風の影響を受け、特に、北風の強い冬は高濃度が現われます。しかし、2測点とも高濃度出現はあっても、1日平均0.05PPm以下の日数が、大幅に増加しています。
また、昨年7月から伝法小で測定をはじめましたが、1年間の測定では市内で一番高濃度が現われるなど、汚染地域の変化が見られました。このため、現在今年度事業として、今泉小とあわせで常時監視局(テレメーターシステム)の増設をしており、10月には完成の見込みです。
- 図表あり -
( 図表説明 ) 自動記録計によるイオウ酸化物測定値(市内7か所 44.7〜47.6 3か年対比)