富士市は、大気汚染防止のうち、イオウ酸化物の減少対策として(1)汚染物質の除去(燃料中のイオウ分を低下させる)(2)汚染源の縮少(煙源の集中化)(3)汚染と物質の希釈(煙突の正常化)などの方法を指導しています。
このうち、重油中のイオウ分減少については、昭和45年から各企業に強い行政指導を行ない、現在、大手企業1.7パーセント以下、中小企業2.0パーセント以下を目標にしています。煙突の正常化についても、ほとんどの企業の煙源が改善されてきています。
特に、中企煙群の集合については、すでに依田原地区の富士家庭紙共同組合が4社共同のボイラーを稼動させ、その効果をあげていますが、このたび、原田地区の泉製紙、今泉紙業、大川製紙、豊年製紙、和興製紙、平和製紙、三浦製紙、高尾製紙の8社が「岳陽共同組合」を設立。共同ボイラーが5月20日に完成しました。
この結果、各企業の小型ボイラーを廃止したので、使用燃料はいままで日量25トンだったのが20トンですみ、使用重油の低イオウ化、安くて安定した蒸気の供給など、一石数鳥の目的が達成できます。
市でもこの事業をおおいに奨励し、自己借入金に対して利子補給を行ないました。今後も中小煙源の共同化を指導していく計画です。なお、現在、今泉地区の11社による共同化の指導を進めています。
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