富士山大沢を水源にした潤井川に、5月1日と5日の大雨で大量の土砂が流れ込み、一部は田子の浦港にまで堆積しました。潤井川は、富士宮市から市内に流れ込んでいる延長約30キロメートルの2級河川。鷹岡、岩松、富士、伝法など川ぞいの地区では 農業用水に利用しています。これらの地区の大部分は水田で、600ヘクタールの水田から約2,520トンの米がつくられています。
大量の土砂が流れ込んだ潤井川の水は土色に変わり、川の中に州ができています。大沢くずれの土砂は、岩が雨や風で自然にけずられたもので、乾燥するとコンクリート状に固まり、水が浸透しにくくなってしまいます。
土砂が水田に流れ込むと、農作物に多くの被害が出ると予想されましたが、まだ、田植期には早かったので、取水しているところはなく、水田に土砂は入りませんでした。しかし、田植がはじまる6月になると、どうしても水門を開いて水を引き込まなければならないので、川床の土砂を取りのぞかなければなりません。このため、市は、県に早急に潤井川のしゅんせつを行なうよう要請しました。
そこで、県は、田植前に土砂を取りのぞくことを了承し、5月23日から作業をはじめました。作業は農業用水の取水口付近を重点に行なっています。
なお、田子の浦港に流れ込んだ土砂は約27,000立方メートルで、潤井川の河口付近で干潮時には、底が出てしまいました。このままにしておくと、ますます広がり船の出入にも支障をきたすので、陸と海の両方からしゅんせつを行ない、20日までに約3分の1を取りのぞきました。現在でも毎日すこしづつ土砂が流れ込んでいますが、上流部のしゅんせつが進めば、しだいに量も少なくなるので、作業は今月中に終る予定です。
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( 写真説明 ) 写真は川の中央に州ができた潤井川