市公害課は、県と協力して1月24日の夜、製紙工場の排水を抜き打ち調査しました。調査したのはさいきん機械を増設した工場など20工場(大手3工場、中小17工場)です。
検査は各工場の排出口末端で汚水2リットルを2回採水して浮遊物質(SS)を調べました。
検査結果は、大手工場の本州製紙、大昭和製紙富士工場、大興製紙はいずれも排出基準以下で問題はありませんでした。しかし、中小工場は岳南排水路に排出している14工場のうち6工場が、河川に放流している3工場のうち2工場(1工場は富士宮市)が基準をオーバーしていました。
岳南排水路の排出基準は業界内部で定めた「岳南排水路管理基準」で、日間平均が400ppm、最大480ppmです。これを守っていなかったのは富士里和製紙、大八製紙富士工場、林製紙、豊年製紙鷹岡工場、小野製紙、やよい製紙の6工場です。このうち、小野製紙は最大1,003ppm、富士里和製には最大979ppmと基準の2倍から2.5倍も高い濃度の汚水を排出していました。
河川に放流している工場は「田子の浦水域の排出基準」の適用を受けます。この基準は日間平均120ppm、最大150ppmですが、和田川に排出している京王製紙は基準の約2倍の391ppmの汚水を排出していました。
県は、これらの違反工場のうち岳南排水路に排出している工場は責任者を呼び出し、汚水処理施設の改善を行政指導しました。なお、岳南排水路は水質汚濁防止法で47年6月24日から、全国一率の排出基準(浮遊物質)日間平均150ppm、最大200ppm、化学的酸素要求量(COD)日間平均120ppm、最大160ppmの基準が適用され、さらに厳しい基準が設けられる予定です。河川に放流している違反工場については水質汚濁防止法違反で勧告命令をだします。
なお、これからは水質汚濁防止法による規制排水基準に違反すると罰金や操業停止などの行政処分を受けることになります。市公害課は、これからも県と協力して随時立ち入り検査を行ない、排出基準を守るように各企業に対し厳しい行政指導を実施していきます。
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( 写真説明 ) 工場排水を採取する市公害課職員