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【広報ふじ昭和46年】公害苦情相談

ますます多くなる苦情 トップは“騒音”から“悪臭”に

「いやな臭いがして食事がまずくなる…」「隣りの工場の音がうるさくてテレビも聞えない…」など、公害に対する苦情は年ごとに多くなっています。こうした傾向は、公害のない住みよい環境づくりをしようとするみなさんの関心の高まりと思われます。それでは、みなさんから寄せられた苦情内容をみてみましょう。
- 図表あり -
- 写真あり -
■苦情件数は39年に比べ約7倍

 昭和45年度中に寄せられた公害に対する苦情は214件。上の表でもわかるように、昭和39年度に比べ7倍も増えています。今年度も9月末までにすでに185件をかぞえ、年ごとに多くなる傾向を示しています。
 苦情の内容は、45年が騒音が63件、悪臭が53件、ばい煙が29件、粉じん23件などの順になっていますが、昭和46年になると悪臭が43件でもっとも多く、ついで騒音の33件、ばい煙の32件、排水の26件の順になっています。
 いままでは、例年、騒音が1位を占めていましたが、今年になって悪臭がはじめて1位になり、公害発生源に対する意識の変化がみられます。また、ヘドロに代表される工場汚水や、廃油や塩水化など排水に対する関心の高まりが目につきます。
 なお、昭和39年度から45年度までの7年間の苦情件数は全部で710件にのぼっています。この内訳は、騒音が244件で全体の34パーセントを占め、悪臭が113件で16パーセント、排水が111件で16パーセント、ばい煙が83件で12パーセント、粉じんが73件で10パーセント、振動とガスが各35件でそれぞれ5パーセントとなっています。
 以上のように、苦情の傾向はわたしたちが日常生活をしていくうえで耳や目で感じられる騒音や悪臭などに多く表われています。件数の増加については、公害の発生源施設の増加があります。しかしいままでは「隣りだから」「知りあいだから」などの理由で公害として取り上げなかったものが、世論の高まりによって公害苦情として寄せられたものが多くあると思われます。
■発生源施設の改善 工場移転の指導を

 公害の発生源はほとんど工場が占めていますが、さいきんはクーラーや換気扇の騒音など日常生活のなかでも問題が起きています。
 工場の場合、公害の発生源となる施設をもっている工場数は約680にものぼのます。苦情の多い業種としては、製紙工場や金属機械加工工場などがあげられます。こうした工場の多くは工業地帯にあります。しかし、富士市の場合は、この地域は工場と住宅が密集しているところが多いので、苦情も多くなっています。これは、人口の急激な増加、産業の発展などが住宅・工場の混在地帯を形づくっていたためです。
 このため、市公害課では苦情が発生したときはもとより、公害を未然に防止するように施設の改善や工場移転などの指導をしています。施設改善、工場移転には県、市の「公害除去資金」を貸付けています。42年から45年までに31件8,700万円の貸付けを行なっています。
 なお、苦情の多い時期は6月から8月でこの期間は窓を開放することが多いため暑さなどで不快なときに“音”や“臭”がわたしたちの生活環境を一層悪化させるからです。
■苦情の受け付けや処理は市公害課で

 苦情相談の受付け、処理をするのは市公害課。苦情の申立てがあると大気、水質、騒音の各係員が現状を調査し、当事者から事情などを聞いて仲介にあたります。処理状況は苦情の約90パーセントが解決しています。そうしたなかには公害というより、当事者間の感情のもつれによる苦情申立ても少くありません。このような場合は、お互いに冷静になって、もう一度話し合いをしていただきたいと思います。 未解決のなかには、ヘドロから発生する硫化水素ガス、KP工場(クラフトパルプ)の悪臭などがありますが、こうした問題は継続調査を行ない、できるだけ早く解決するように努めています。
 なお、苦情の受付けはほとんど電話によるもので、約90パーセントを占めています。その場合、住所や名前を言わない人があります。調査するときに事情をお聞きしたり、調査結果や施設を改善した場合の効果など測定するため、必ず住所、名前、連絡先をお知らせください。
- 図表あり -
( 図表説明 ) 45年度苦情内訳 昭和45年4月〜昭和46年3月
( 図表説明 ) 46年度苦情内訳 昭和46年4月〜昭和46年9月
- 写真あり -
( 写真説明 ) 苦情相談があると係員が現地調査を
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