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【広報ふじ昭和46年】自然林と火山岩いかした森林公園づくりスタート

5年計画で丸火地帯の100ヘクタールに

 自然に親しみ、生活に潤いをもたせるため、国、県は保健休養林制度を実施することになりました。市はこれにさきがけ県下屈指の森林資源を利用して、大渕丸火に「森林公園」を今年度から建設します。計画によると人工林の多い富士南麓では希少価値のある丸火地帯の天然林100ヘクタールを利用し、恵まれた自然環境を守るとともに、市民の保護、休養のための施設をつくります。造成にあたっては、地形に応じて林内観察地区、遊園地区、青少年野外活動地区にわけ、自然を生かした公園をつくります。総事業費は1億5,000万円で、昭和51年度までの5か年計画で事業をすすめます。
■園内には四季の花を植える

 森林公園が建設される“丸火”は、富士南麓の標高500メートルから600メートルの火山岩地帯で、市街地から約9キロメートルの地点にあります。地形は南北に約5,000メートル、東西は200メートルから500メートルこの帯状をなしており、面積は約100ヘクタール。なら、くり、かえでなどの天然樹でおおわれ、季節によって花と緑とに葉がわたしたちの目を楽しませてくれます。
 敷地内を林内視察地区、遊園地区、青少年野外活動地区の3地区にわけ、地形を利用して特色のある造成を行なっていきます。
 林内観察地区は約30ヘクタール。豊かな緑に恵まれているので、林相や地形はできるだけ自然の姿を生かし、散歩、植物や熔岩などの観察ができるようにします。地区内には遊歩道、展望台2か所、芝をはった小園地をつくります。特に遊歩道は起伏を利用して板橋、丸木橋、吊橋など地形にあったものをつくります。自然林の樹令は戦時中に伐採したため、25年生から30年生です。この天然樹にはラベルをはり、植物の観賞と自然科学の知識を養えるようにします。
 遊園地区は約20ヘクタール。この地区は公園の中央部で、盆地状になっています。この地形を利用して1,000平方メートルから1,500平方メートルの池をつくります。池のまわりは芝をはり、あずまやをつくります。また、花木園地をつくり、四季の花木を植え静的なレクリェーションの場にします。
 青少年野外活動地区は約30ヘクタール。既設の青少年の家を中心に、200人収容のキャンプ場、スポーツ広場などをつくり、青少年の研修やレクリエーション活動に利用していただくようにします。
■自然教育の教材に“野鳥の森”も

 公園予定地にはうぐいす、るり、めじろなど野鳥も豊かです。この野鳥を保護し、増殖をはかるため、野鳥の好きな実のなる木、巣箱、水飲み場を設け小鳥の楽園をつくります。なお、この地域は狩猟地域になっていますので、外周地域を含めて鳥獣保護区に指定して保護をしていきます。また、“野鳥の森”をつくり小中学生の野鳥愛護、自然教育の教材にも利用できるようにします。
 公園に通じる道路は、林道丸火線と七色石線が主要路になっていますが、幅員が3.6メートルしかないため6メートルに拡幅し,大型バスも乗り入れるようにします。しかし公園南北のゲートと中央部に駐車場をつくりますが、園内の道路はできるだけ車両の出入を禁止し、歩行者の保護と環境の保護をはかります。
 公園の完成は昭和51年ですが、完成後も付近一帯の整備をすすめ、公園以外の開発が行なわれないように環境保全地区としていきます。
- 写真あり -
- 図表あり -
( 図表説明 ) 森林公園計画図
添付ファイル
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