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【広報ふじ昭和46年】干潮時に高濃度が出現

硫化水素ガスの測定

 田子の浦港には、100万トンから130万トンの“ヘドロ”が堆積しているといわれます。このヘドロからは硫化水素ガスが発生し、住民の健康や生活環境をおびやかします。
 硫化水素ガスは気温の高い夏場に多く発生します。このため、市は県と協力して硫化水素ガスの発生を常時監視していますが、7月のデーターがまとまりましたのでお知らせします。
 監視は鈴川浜町、依田橋、前田、前田新田の4か所に連続自動記録計を設置し、そのほか、港湾管理事務所、水上警察署、岳鉄操車場などにも測定点を設けて測定を行なっています。
風向、風速によっても左右される

 この結果、どの測定点でも満潮時には硫化水素ガスの濃度は低く、干潮時には比較的高濃度を示し、潮位によって影響されることがわかりました。また、気象条件によっても影響があります。とくに風向、風速の影響は大きく、風速4メートルから5メートル以上のときは拡散されるので、基準測点では検出されませんでした。しかし、風速2メートル以下の微風のときは比較的に高濃度が検出されました。
 各測定点のデーターをみると、港の北側に設置した依田橋(吉田製紙)、前田(船山組)の2測点が、他の2測点にくらべ圧倒的に高濃度が出現しています。
 硫化水素ガスの濃度が0.3PPm以上の出現回数は、依田橋が7回、前田が6回、鈴川浜町(仁藤宅)と前田新田(みなとや食堂)は0でした。0.1PPmから0.3PPmの出現回数は依田橋が44回、前田が46回、前田新田が16回、鈴川浜町は0でした。このことは、夏季の風向は南系の風が多いために依田橋と前田の汚染が高く、夜間に北系の風が吹いたために前田新田に高濃度が出現したものと見られます。
 なお、0.3PPmが同時に2測点で検出されるか、0.6PPm以上が検出されると「緊急時」対策を実施しますが、いままでの測定ではありませんでした。
 基準測定点4か所のほか、12測定点で酢酸亜鉛法による測定を実施しました。この測定は、酢酸亜鉛を塗った円筒を各測定におき、毎月定期的に回収して分析します。この結果は、港の周辺では多少汚染されていますが、少し離れると急激に減少することがわかりました。
 硫化水素ガスの発生を防ぐため、県は7月12日から港内に生石灰を散布しています。生石灰の散布は、水深の浅いところや住民に近い場所を、重点的に行なっていますが、各測点で散布後は濃度が減少しています。なお、生石灰の散布による水質の汚濁も調査していますが、表層でペーハー7前後、4メートルの深層でペーハー8.5以下で、基準値をこえることはありませんでした。
- 図表あり -
( 図表説明 ) 硫化水素ガス測定図
- 写真あり -
( 写真説明 ) 連続自動記録計を調べる市職員
添付ファイル
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