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【広報ふじ昭和46年】地下水の汲み上げを規制

工業開発がすすむとともに地下水位の異常な低下、塩水化現象などが各地でみられるようになってきました。
このため県は「地下水の採取の適正化に関する条例」を6月3日に施行し地下水の適正利用をはかることにしました。条例は地域指定、取水基準、届出、立入調査などを骨子にしており、7月13日から適用されます。

国有林野を除く全市域が規制の対象に

 条例が適用されるのは富士地区、大井川下流一帯、浜松市を中心とした西遠地区の3地域です。富士地区は富士市の国有林野を除く全市域が対象になっています。したがって市内のほとんどの地域が大幅に地下水の汲み上げが規制されます。
 現在、市内には製紙企業を中心とする用水型企業は約150工場あり、1日に130万トンから140万トンの地下水を汲み上げており、すでに揚水量は限界に達しています。このため、条例では新設する井戸に対して規制するほか、既設の井戸についても届出をさせ、規制を決めていきます。
 なお、消防用井戸、災害に対する井戸、水道事業(市町村営)などについては、問題が起こらない限り、知事が認めることになっています。

田子の浦港周辺はきびしい規制が

 井戸を新設する場合、市内は3地域にわけて規制されます。=別図参照=
 もっとも規制が厳しい田子の浦港を中心とする(ウ)の地域で、パイプの直径が50ミリ以下でなければ許可になりません。(ア)と(イ)の地域はパイプの直径が80ミリ以下で、既設の井戸との間隔は300メートル以上に規制されます。このほか、(イ)の 区域ではストレーナー(吸入口)の位置についても150メートル以下に規制されます。
 揚水制限は、これまで塩水化の一番ひどい吉原地区がもっとも厳しく、1本の井戸からくみ上げる量は、1日290トンに制限されます。
 井戸を新設する場合、あるいは位置などを変更する場合は、工事に着手する60日前に知事に届け出ることになっています。また、工事が完成したら30日以内に完了届をしなければならないことになっています。

井戸をおもちの人は必ず届出を

 既設の井戸については、井戸の分布状況、地下水の水位低下、地下水への塩水または汚水の混入状況、工業用水道などの布設状況などの調査を行ないます。
 このため、既設の井戸を所有している場合は、9月10日までに県知事に揚水量などについて届け出をしなければなりません。届出が必要な井戸は、吐出し口のパイプの直径が50ミリ以上のものですから、冷暖房やガソリンスタンドなどで井戸を使用している場合ははとんどが対象になります。届出を忘れたり、虚偽の届出をしたりすると、罰則が適用されますので必ず届出をしてください。
 届出に必要な書類は市役所経済部商工課(5階南側)にあります。
- 図表あり -
( 図表説明 ) 地図・表
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