【広報ふじ昭和46年】第2次総合開発計画6
郷土保全計画は、治山事業の推進、砂防事業の推進、河川の整備、海岸保全施設の整備を行なうもので、いずれも豊かで美しく住みよい都市づくりを目標にしています。
市内の森林地帯は、富士山系、愛鷹山系からなる山岳地で面積は10,654ヘクタールと全市内面積の50パーセントにおよんでいます。特に気侯、地質などの諸条件にめぐまれ、林産資源の供給をはかっているとともに郷土保全、水源極養の効果は、産業経済の発展、市民生活の安定に役立っています。しかし、産業経済の発展や人口の増大に伴ない、市街化地域は広がり山の中まで開発が進んで、このままにしておくと山林地帯の乱伐はますます進んでしまいます。
このため山林所有者には計画的な植樹伐採を指導して、美しい郷土づくりを進めます。同時に、山腹の侵蝕崩壊など災害の未然防止をはかり、治山事業をすすめていきます。
つぎに、最近の災害の特徴である、河川の土砂の流出による被害を防ぐため砂防事業を推進します。土砂の流出の主な原因は、河川の地質が弱いこともあげられますが、宅地造成や観光開発から河川に一度に流れ込む水量の増大などもあります。現在、市内の2級河川で砂防の必要個所は、潤井川の滝戸地先、赤淵川の間門地先など5か所ほどあります。
森林資源の開発はかる
生活環境の悪化を防ぎ、市民の生命、財産を災害から守りぬくことを基本に、災害の未然防止をはかり、砂防事業の推進を行なっていきます。
しかし富士市の場合は、その地形上丘陵地帯に向って開発が進む結果、必然的に雨水流出量や工場排水、家庭下水の量が急激にふえています。しかも、それは流末排水路である2級河川に集中するため、豪雨時における水害が毎年のように起っています。
こうした水害の発生原因は開発の進行と共に、河川上流の土砂礫の流出による河床の上昇、あるいは河積の縮小をもたらして排水機能が低下するためです。したがって各河川の整備を進めていきますが、現況に合った対策、たとえば滝川は県営富士住宅団地、和田川は下水道事業との関連など考えて行なっていきます。
三四軒屋海岸の侵蝕を防ぐ
昭和41年9月の台風26号による被害は富士海岸三四軒屋地先では堤防決壊、吉原海岸では、高波が堤防をのりこえ住宅地におしよせ13人の死亡者を出し、家屋まで破壊するなど大被害となりました。このため富士海岸(3,549メートル)、吉原海岸(4,098メートル)の堤防をこれまでよりかさあげしてきましたが、大部分整備され46年度中には、工事も完了する見込みとなりました。また、田子の浦港の建設で、三四軒屋地先の海岸線の侵蝕もはげしいので、昨年度から侵蝕防止工事を行なっているので早期完工をはかります。
こうした海岸保全施設の整備を積極的に進めていくほか、侵蝕なども学街的調査に基づいた防止対策を強力に進めていきます。
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