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【広報ふじ昭和46年】46年度の施政方針

昭和46年度は諸問題解決の基盤づくりを

 渡辺市長が、市議会3月定例会で昭和46年度は 1.健康と安全を守る快適な生活環境づくり 2.都市基盤の整備 3.教育環境の整備充実 4.子どもの健全育成と老人福祉の充実−の4点を重要施策に、生活行政を積極的にすすめる…。と施政方針をのべました。方針の要旨は次のようなものです。

 私が市長に就任してから早くも1年が経過しました。この1年間は、富士市にとって未だかつて例をみない政治、行政上の重要問題が提起されました。
 私は、昭和45年度は「問題が提起された年」であり、昭和46年度は「問題解決のための基盤づくりの年」であると心得ています。
■市政運営の基本は市民生活第1主義

 本市は、首都圏・中部圏の経済集積地との接触を深め、とくに首都圏の影響を大きく受けながら、工業集積を中心とした都市開発が進められてきました。人口も、全国604都市中89位にあり、県下では最も高い伸長率を示し、県東部地区の中核都市を目指して躍進を続けています。
 産業の振興と経済の伸長は、市民の消費生活を豊かにしましたが、他面では、人間生活を脅やかす諸問題が発生していることも事実です。各種公害の発生に伴う生活環境の悪化、交通量の激増に伴う事故のひん発、土地問題を起因とするスプロール化などです。
 こうした環境破壊の問題は、一刻の猶予もできない状懸です。いまこそ、70年代の課題「生活第1主義の行政」への転換が痛感されるものです。
 「生活第1主義の行政」とは、住宅、上下水道、公園、道路、教育施設などの社会資本の拡充を目指す行政であり、また、母子や老人などの社会福祉に取り組む行政です。さらに、交通難、交通事故、自然破壊、大気汚染などの生活障害にいどむ行政です。
 このことは、とりもなおさず「市民の健康と生活と環境を守り明るい都市づくり」に通ずるもので、70年代が、われわれ国民生活にとって、大きな転換期を意味しているものと考えます。
 私は、現実を直視し新年度の市政運営の基本を「生活行政の積極的推進」とし都市の主人公である市民のしあわせと、充実した生活を願い、市民のための市政実現の施策を積極的に進めていきます。
 私は、新年度の重点施策として次の4点をとりあげ、執行しています。
 第1は…健康と安全を守る快適な生活環境づくり
 第2は…都市基盤の整備
 第3は…教育環境の整備充実
 第4は…子どもの健全育成と老人福祉の充実
■産業公害の防止に全力をかたむける

 まず、第1の方策は、公害対策をはじめとする安全対策の推進です。70年代最大の課題は、環境破壊を排除して、豊かな人間環境を創造することです。
 当市の今後の公害防除は、公害防止基本方針、すなわち「産業公害防止対策はすべて発生源企業の責務として、何よりも優先し、最大限の努力を傾注して防止すること」「産業活動ならびにその発展は、市民生活の安全を阻害するものであってはならないこと」の基本姿勢に立って、最善の努力をします。
 具体的には、公害対策の基本的事項を調査審議するため、市民の諮問機関として、条例に基づく「公害対策審議会」を設置し、公害行政の根本的対策を樹立してまいります。
 大気汚染対策は、47年を目標とするイオウ酸化物の環境基準を達成するため、企業との公害防止協定の締結、発生源に対する改善指導と監視機能強化のための公害測定車の整備、硫化水素、炭化水素、ふ化水素など、ガス対策に必要な測定器具を整備します。
 水質汚濁については、工場から田子の浦港水域に排出される水質基準が、本年7月1日から段階的に適用されます。目下大手各企業はそれぞれの自家処理施設を6月中に完成すべく鋭意努力中であり、中小企業についても前処理施設の具体的方策を研究中です。
 水質汚濁を抜本的に解決する恒久対策は、岳南排水路終末処理施設の建設こそもっとも重要で緊急を要する対策です。この促進をはかり、水質汚濁の直接的要因と基本的要因の除去に、積極的に対処してまいります。

歩行者の保護を重点に交通安全施設を整備

 自動車は、日常生活に多大の利便をもたらしている反面、交通事故の増大など市民生活をおびやかす要因ともなっています。市民を交通災害から守るには、道路整備はじめ総合的な交通安全対策が必要です。特に本年度は、歩行者の保護を最重点に交通安全諸施設の整備と、安全教育の徹底、交通道徳を高めるなど、幅広い市民運動を展開してまいります。
 普通河川が県から市に移管されるのでこれを機会に管理体制を考慮するとともに、各排水路の汚濁、氾らんを防ぐため河川の浚せつ改修整備をいたします。消防体制は、消防水利、消防ポンプ車、救助工作車など、消防力の強化近代化をはかります。
 市民の健康を増進し、医療と公衆衛生の諸問題に、助言、協力をいただくため先般、「富士市医療保健対策協議会」が発足しました。これを機会に、専門的調査研究によるご意見を反映し、より一層充実した医療保健行政を展開してまいる所存です。
 スポーツの振興、自然との接触などのレクリェーション施設を整備する施設は三ツ倉地先へ総合運動公園の建設、丸火地帯へ森林公園を造成します。


■依田原新田地区の区画整理に着手

 これは、県東部地区の中核都市を目指す本市にとって重要な課題です。とくに市庁舎周辺の新市街地開発と富士駅周辺の市街地再開発は緊急を要する問題です。依田原新田土地区画整理事業は、新年度から工事に着手し、5か年間で本地区を貫通する交通体系の確立と、ビジネス、交通などの中核都市機能の集積した近代都市にふさわしい街区の形成をはかっていきます。永い間の懸案事業の富士駅周辺土地区画整理事業は、全面改定を機会に、駅前広場や街路整備改善と、建物の不燃高層化による土地の高度利用、商店街整備の早期完成に一層の努力を傾注します。
■校舎やプールなどの整備をすすめる

 小学校の整備は、広見小、大淵第一小、富士第二小校舎の新改築と、須津小、伝法小の屋内運動場の新改築などを行ないます。中学校は、岩松中、大淵中の屋内運動場の新築、須津中、吉原第三中ヘプールを新設します。幼児教育施設として鷹岡地区へ幼稚園を、また、市立商業高校の創立10周年記念事業として生活館を建設します。
 社会教育の充実強化と体育の振興をはかるため、富士北公民館を富士事務所跡地に建設するほか、既設の富士公民館跡地に柔剣道場を新設します。


■チビッ子広場の積極的な設置を

 子どもの遊び場不足、留守家庭児童の増加、交通事故の多発など、子どもの健全育成に悪影響をもたらす、さまざまな現象が発生しています。
 そこで、健全育成施策として第1保育園を全面的に増築するほか、企業内共同託児所の促進をはかり、働く市民が安心して子どもを託せる保育行政を進めてまいります。また、児童を交通禍から守るために、児童遊び場、ちびっ子広場を積極的に設置していきます。
 老人福祉対策は、老人の健康を増進し余暇を有効に活用していただくために、保健、休養、娯楽のできる“社会福祉センター”を建設します。また、この施設は心身障害者(児)、母子世帯の方々にも利用していただけるような配慮もしたいと考えています。
 老人の希望と能力に応じた就労や社会活動への参加機会の増大もはかります。ねたきり老人には、家庭奉仕員の増強、慰問援護事業も積極的に進め、老人の生きがいの醸成をはかっていきます。
 深刻化する中小企業の労働力不足の対応策として、雇用促進住宅建設用地の取得、中小企業者への融資を前向きに対処します。農業の基盤整備をするため、農道、用排水路、土地改良事業を推進します。また、生鮮食料品の安定価格対策として、卸売市場の公設化を検討してまいります。
 このほか、平坦部の未開発地域の中で最も広大な面積を有する浮島は、本市の今後の地域開発にとって重要な地域です。この地域が、無計画、無秩序に開発されては、将来に禍根を残すことになるので土地利用計画を検討していきます。
- 写真あり -
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広報広聴課 (市庁舎8階北側)
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