年間平均は0.052PPm
昭和45年のイオウ酸化物の測定結果がこのほどまとまりました。イオウ酸化物の測定は昭和43年8月から実施していますが、この結果、はじめて年間の同時期比較ができるようになりました。
全測点の年間平均は44年が0.058PPmでしたが、45年は0.052PPmに減っています。また、年間の平均値の最高は44年は元吉原中学校の0.097PPmでしたが、45年は富士保健所の0.06PPmになっています。
各測点の年間平均値は次のとおりです。富士保健所0.064PPm(44年0.063PPm)、第三中学校0.054PPm(44年0.065PPm)、勤労青少年会館0.051PPm(44年0.049PPm)、元吉原中学校0.062PPm(44年0.077PPm)、富士中学校0.052PPm(44年0.052PPm)、鷹岡公民館0.052PPm(44年0.056PPm)大淵中学校0.028PPm(44年0.030PPm)
高濃度の出現は大幅に減る
以上の結果でもわかるように、年間平均値が環境基準の0.05PPm以下の測点は大淵中学校だけで、他の測点はいづれもオーバーしています。しかし、人体にもっとも影響のあるといわれる0.2PPm以上の高濃度出現回数は大幅にへり、全測点が環境基準を満しています。
各月ごとの測定値は、別表のようになっています。この表でもわかるように5月から7月の3か月間に、第三中学校と勤労青少年会館の郊外の測点で高濃度がみられます。これは、気象の影響と考えられ、それ以降は大幅に減少しています。
なお、イオウ酸化物の排出量は、使用重油のイオウ分が平均0.3パーセントから平均2.5パーセントと6分の1くらい減少しています。ところが、重油の消費量の伸びがこれを上回っているので、絶対量は44年よりも多くなっています。
こうした状況のなかで全測点の年間平均値が、44年と比較して減少しているのは、大気汚染防止法あるいは公害防止協定のなどによる施設の改善などの効果が表われてきたものと考えられます。
しかし、イオウ酸化物の濃度は依然として環境基準0.05PPmを超えている測点が多く、そのほかの環境基準もまだ達成していませんので、協定の改訂などの指導を行なっています。
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( 図表説明 ) 45年のイオウ酸化物測定結果