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【広報ふじ昭和45年】医療費のアップに伴い国民健康保険税が上ります

会社や事業所に勤めていない人は、市が取扱っている国民健康保険(国保)に加入しなければならないことになっています。みなさんが不測の病気にかかったり、ケガをしたときの医療費を保険制度で補い、家庭出費の負担を軽くし、同時に経済的な心配のないよう療養できる仕組みが各種健康保険法あるいは共済組合法で、この中の一つが国保です。
 富士市の4月1日現在の総世帯は4万8,409世帯ですが、このうち国保に加入しているのは1万6,931世帯で全体の35パーセント、人口にして5万7,800人が被保険者です。
 国保の事業運営は被保険者世帯の所得資産負担と平等均等負担によって納める保険税と、国や県の負担補助、さらに市の一般会計からの特別の補助金などによってまかなわれ、治療費の70パーセントを本人にかわって支払い、本人負担は3割ですむ仕組みです。
 ところで、ここ数年来の医療費の値上げと、受診受療の増加によって、給付支出額はどんどんかさんでいます。
 これに対して収入財源の主体である保険税収は、もともと勤め人でない人たちが対象になっているため、一部の資産所得の多い人たちを除いては、高齢者あるいは若い人など所得の比較的少ない人々が多く、病気になる率は反対に高いという実状から、税収の伸びは給付支出費に追いつかず、ここ1、2年の国保財政は極めて苦境にあったわけです。
 しかし市としては諸物価の高騰、各種公共料金の値上げのなかで、医療費以外の諸経費はつめるだけつめ、国や県の補助金は少しでも多くもらえるよう手を打ち、どうにかバランスをとってきました。しかし、ご存知のように、2月の医療費8.77パーセント、7月の0.97パーセントの追加値上げなどにより、どうしても保険税の値上げをしなくてはみなさんのための保険事業が出来なくなりました。
 このため、やむをえず国保運営協議会などの了解を得て、今年度からの値上げを決定しました。この2回にわたる医療費の値上げ分は約7,000万円近い額が見込まれています。

医療給付費19パーセントの上昇率 追いつかない収入

 国保会計の収支をみると、43年度にみなさんが納めた保険税額は1億9,194万円(完納の場合)です。
 これに対する給付費は4億7,876万円、また44年度は税額2億1,564万円で給付費は5億7,300万円、その税収の伸びは12.3パーセント、給付費の伸びは19.1パーセントとなっています。45年度の給付費はおおむね6億8,400万円が見込まれています。
 ちなみに被保険者のみなさんがこの保険によって、どの位いの利益を受けているかといいますと、43年度では1人当りの税額3,389円について給付を受けた額は8,450円、つまり差引き5,063円の受益となっています。
 これは市民被保険者の利益ということで、いいかえればこれも限度の問題で、限界をこえてしまうとそれだけ保険会計は苦しくなります。
 市は常に市民に対して最大の受益を与え、負担は最少にとどめて会計収支のバランスを保ってきました。しかし限界を越えてしまったので、今回の保険税改正となりました。
 病気、ケガをしなかった人は税金だけ納めてなんの恩けいもない、といわれるかも知れませんが、そのあなたの税金で他の市民が救われています。いいかえれば保険制度本来の相互扶助の目的が達成されるわけで「あすはわが身……」とよくいわれますが、そういう理解が社会連帯事業のささえになり発展を助長することになります。
- 写真あり -
( 写真説明 ) 交通事故で医療費がかかっても70パーセントを本人にかわって負担

被保険者均等割が940円から1,120円

 保険税は、所得割額、資産税割額、均等割、平等割の4つから算定されることになっていて、今回の改正では次のようになります。( )内はいままでのものです。
◎所得割額
 市民税所得割額の100分の105(100分の88)
◎資産税割額
 固定資産税額の100分の55(100分の46)
◎被保険者均等割額=1人当り=
 1,120円(940円)
◎世帯別平均割額=世帯当り=
 2,480円(2,060円)
 今回の税アップは、富士市だけでなく県内各市はもとより全国的なもので、当市の場合のアップ率(1人当りの負担税額)はそのうちでも中以下になっています。
 改正保険税の計算は、みなさんの昨年度の所得、持ち資産などを基礎に9月本決定となり、さる4月配布した保険税令書(仮算定)の税額を差引き、9月から1月までの間に納めていただくことになります。
 9月以降の税金は、改正にともなってその額がすこし上廻りますので、あらかじめ承知されるようおねがいいたします。
 なお「仮算定」とは、みなさんの前年度の保険税の、2分の1をこえない範囲で4・5・6・7・8月の5回の納期に等分して納めていただく、つまり仮りの税金ということになります。
 この仮算定の税金は本決定までの間の医療機関への支払財源になります。

■助産費1万円支給

 国保の被保険者世帯の出産に対して、いままでは助産費として3,000円が給付されていましたが、9月1日以降の出産については1万円に増額支給されることになりました。


■加入、脱退 14日以内の届出

 会社、事業所をやめると国民健康保険に加入することになっています。世帯主の場合は被扶養者(家族)も同時にそうなり、扶養者のない人は、本人だけが加入することになります。
 届出は法律によって14日以内にすませることになっていますから、市民課窓口に離職票(会社、事業所をやめた証明書)と印かんをもってくれば簡単な手続きですみます。
 また会社、事業所に就職することになった人も同じく、14日以内に国保の保険証と印かんをもってきて市民課窓口で手続きをすませてください。
 手続きをしないでいて、市から保険税令書がいき「私はとっくに会社の健康保険だ」と苦情をいってくる人があります。この場合は、本人が届出を怠ったことによるものですから忘れずに手続きをしてください。
 また国保加入者で転居したり家族の中で結婚、就職、一部転居など異動のあったときも必ず忘れずに市民課窓口に届け出てください。


■“保険が使えない”とき

 国保では保険証を医者に提出して受診するのが原則ですが、緊急あるいはやむをえない場合で、保険証が使えなかったときは「医療費の支給」という制度があります。
 その一つは国保扱いをしない病院にかかった場合、国保は県単位になっているため県外では特に申し出のあった病院しか国保扱いはしていません。
 したがって旅行中の急病、または医師の紹介で国保扱いをしない病院にいったとき、県内でも緊急の場合で保険証を持ち合せていなかった場合です。
 次はコルセットなどの補装具や輸血、付添看護などもともと保険証でみることになっているものなどで、所定の手続きをすると治療費を国保の診療点数に換算したものの70パーセント分をみなさんにお返しする制度です。
 この手続きは特殊な条件や、事前に申し出をしなければならない場合があるので、前もって市の保健課まで相談においでください。
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