【広報ふじ昭和45年】7工場と公害防止協定結ぶ
既存の公害をなくすため、大手工場と公害防止協定を取りかわしていますが、4月28日、新たに日本食品(株)、東海電化工業(株)、東洋インキ製造(株)、五条製紙(株)、井出製抵(株)、春日製紙工業(株)、三島製紙(株)の7社と協定を結びました。これで協定を結んだのは15社17工場になりました。協定の内容は次のとおりです。
■日本食品化工
イオウ酸化物を減少させるため、燃料の低イオウ化、高煙突化を行ないます。
燃料の低イオウ化は、現在の2.8パーセント前後の重油を45年12月から2.5パーセント以下にするとともに、以後も低イオウ化につとめます。汚染物質を拡散するため、現在使用している40メートル煙突を廃止して、新しく90メートル煙突を新設します。これにより最大地上濃度の推定値は0.037PPmが0.0144PPmになります。
臭気対策は、飼料の製造工程で植物性たんばく質を高温乾燥するときに発生しますが、これを低温乾燥で処理していきます。
排水処理は、沈殿槽で汚染物質を取りのぞいてから川に放流していますが、岳南排水路の完成しだいこれを利用していきます。
以上の工事は排水計画をのぞいて、すべて45年11月までに完成します。
■東洋インキ製造
いままでイオウ分2.5パーセントで前後の重油を使用していましたが、45年4月から2.45パーセント以下の重油を使用しています。
排ガスは、現在、15メートル以下の低煙突3本からそれぞれ出しています。この使用中の煙突を3本とも廃止して、新しく40メートル煙突を新設します。1本の煙突に集合化することによって、着地濃度の減少とともに、ばい煙の減少をはかります。
これによって、最大着地濃度は現在の0.043PPm、0.041PPm、0.041PPmが0.020PPmに減少します。このほか、緊急時にそなえて容量100キロリットルのタンクを設置し、イオウ分1.5パーセント以下の重油を確保します。
■三島製紙
従来はイオウ分2.9パーセントから3.0パーセントの重油を使用していましたが、昨年11月から2.5パーセント以下の重油を使用しています。
なお、使用中のボイラーは予備として新しく公害防止対策を考慮したボイラーを新設します。これにともない発電機を増設しますが、煙突を現在の35メートルを廃止して70メートル煙突を新設します。このため排ガス量はふえますが、着地濃度は0.0251PPmが0.0110PPmにと2分の1に減少します。
麻原料を蒸解するときに発生するブロー排ガスは水処理方式を採用し、大気へ放出しないようにします。
騒音防止は、既設のものについてはすでに防音、消音設備をしています。新設する発電機についても、防音材や吸音材を使用し、また屋内に設置するなどの方法で防音効果をあげていきます。
これらの工事は昭和45年12月までに完成させます。
■東海電化工業
おもな製品である過酸化水素の製造方法は、蒸気を利用した電解法を採用しています。これを工場の増設計画と大気汚染防止のために、蒸気を利用しない有機法を採用するか、6月中に方針をきめます。方針が決定しだい8月申に公害防止計画をたてます。
■井出製紙・春日製紙・五条製紙
市の指導する公害防止計画に前向きに協力する協定を結びました。重油中のイオウ分は2.5パーセント以下にします。また立ち入り調査なども協定にふくまれています。
なお、大気汚染防止法の排出基準および、市の指導基準を検討したところ、着地濃度は次のとおりです。井出製紙は0.0181PPm、春日製紙工業は0.0154PPm、五条製紙は0.0125PPmでした。
- 写真あり -
( 写真説明 ) 公害防止協定を結んだのは今回の協定で15社17工場になりました。
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