【広報ふじ昭和44年】国民健康保険
国保はあなたのためのもの
被保険者のみなさんにとって病気になったり、けがをしたりすることはその生活にとって大きな脅威であります。それは精神的な不安ばかりでなく、その医療費を全部自分で払わなければならないとなると、大病の人のある家庭や、病弱の家庭は、家庭経済が破滅しないとも限りません。それからお金がないために治療も出来ないという気の毒なことにもなるでしょう。そこでそういう場合に、その治療、療養費をみんなで(被保険者)まかなってやったり、その家族の経済的負担をなくしたり、軽くしたりするための制度が国民健康保険(略して「国保」と呼ばれます)です。そしてこの制度は、その家庭が勤労者とか、公務員、船員とか日雇いとかいう社会保険(健康保険)に入っていない市民はみんなこの保険に入るよう法律できめられています。
医療給付4億9千万
昭和43年度の国保事業は、被保険者が 56,654人で、事業費の総額は5億1,650万円でした。
このうち、被保険者の病気やケガなどの療養費として支払われた額(7割相当額)は4億8,900万円もあり、事業費総額の94.7パーセントをしめています。なお、その他の必要軽費(人件費や事務用品費)として使った金額は、富士市は県下の最低で事業費のほとんどが被保険者のために使われました。
国保事業を行なっていくための財源は被保険者の納める保険税、国の負担金、市の一般会計からの繰り入れでまかなわれます。昭和43年度は、保険税が1億8,755方円(事業費の36.3パーセント)、市の一般会計からの繰り入れが3,000万円、残りが国県の負担金となっています。
市は、昨年度3,000万円の繰り入れを行ないましたが、この1人当りの補助的金額は県下最高です。これをみてもいかに市が国保事業に対して、積極的であるか、おわかりいただけると思います。
20万円以上の給付が433世帯も
富士市で被保険者が昨年1年間に病気やケガで治療を受けたのが23万5,020件で、1人が1年間に約4回医者にかかったことになります。1人当りの総医療費は12,024円。これに対し、被保険者が納めた保険税の1人当りは3,387円です。
昨年被保険者が大病にかかり、20万円以上の給付費を受けた家庭が433世帯、このなかで最高額の給付者は、89万6,490円でした。
これでもわかるように、国保制度はわたしたちの生活を、健康を守ってくれます。おたがいに理解しあい、自分自身のために「国民健康保険」を育てていきましょう。
どんな場合でも保険証は使える
保険証は、国保の診療取扱い機関では 交通事故、歯の治療、骨つぎなど、どんな診療も受けることができます。
いままで、一部の疾病には保険証が使えないと思っていた人もありますが、それは思い違いで、すべてに使用できます。
ただ、自動車事故によるケガ、業務上の傷病で保険証を使うときは、必ず市役所保険課(鷹岡事務所)に連絡、届出をしてください。それも至急連絡をすることになっています。
なお、被保険者が交通事故にあったりしたことが新聞記事、救急車使用によって保険課にわかったときは、保険課から連絡票あるいは傷病届の提出を求めることのあることを知っておいてください。
これは、法律で定められた特別の場合で、治療費を市が医者に立て替え払いをしておく形になり、事故のようすによって加害者、あるいは被害者、業務上の場合は使用者から治療費を返還してもらうことになっているからです。
異動したときは14日以内に届けを
国民健康保険には、社会保険(健康保険)に加入していない人はすべて加入するように法律で定められています。これがいわゆる“国民皆保険”です。
加入しなければならない人は、1・国保に加入している家庭に生れた人 2・会社や工場などをやめ社会保険のなくなった人 3・他市町村から転入してきて社会保険のない人 4・国保に加入している家庭に嫁入りしてきてつとめない人です。
なお、会社や工場をやめた場合、他市町村から転入してきた場合、出生や死亡のあった場合も世帯主は14日以内に「異動届」を提出してください。届けをする場所は、各事務所市民課窓口または各支所です。
- 写真あり -
( 写真説明 ) 医療費記入に大忙しの保険課職員
添付ファイル
※PDFを初めてご覧になる方は、ソフト(Adobe Reader)のダウンロードが必要です。
「Get Adobe Reader」のボタンをクリックし、説明に従いAdobe Readerをダウンロードして下さい。
広報広聴課 (市庁舎8階北側)
電話:0545-55-2700 ファクス:0545-51-1456
メールアドレス:kouhou@div.city.fuji.shizuoka.jp