さいきん、各種の産業が発達するとともに、工場、事業所などの廃水が農作物に悪影響をあたえています。とくに多く発生しているのが廃油による被害で、田植期における稲作被害のほとんどが“油”が原因になっています。
自動車産業の発展にともない、市内にはガソリンスタンド、洗車場、自動車修理工場、運送店などが急激に増えています。
しかし、こうした事業所から放出される廃水には油分が含まれており、今年になってからすでに8件の被害が発生しています。
被害の発生状況は、設備が完成してないのに操業をはじめたもの、油分離槽など施設の管理が不充分なもの、事故によるものなどいろいろあります。
被害は、数アールのごく局地的なものから、数ヘクタールにおよんだものまであり、60万円の補償を行なった例もあります。
“油”は水稲の生育を阻害する有機物質で、水稲苗は1株に2ccの油がつけば枯れてしまうことが実験で実証されています。
このため、静岡県公害防止条例にもとづく水質指導基準で、油類の含有量は水1リットル中に10ミリグラム以下と決められています。
油類を使用する既設工場はもちろん、新しく建設する工場、事業所は油類の管理、廃油の処理などには十分注意をしてください。
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( 写真説明 ) 水田に廃油がながれないように…