“観光診断”の報告会が、4月21日に吉原市民会館で開かれました。
この観光診断は、富士市の将来の進路を定めるために実施されたものです。調査は、市域の約25パーセントを占める80平方キロメートルの原始林が主体の、表富士の開発をどうするか、愛鷹山および岩本山の開発はどうするか、今後の観光はどうあるべきか、などについて行われました。
診断によると、富士市は駿河湾から富士山八合目(3.421メートル)までの垂直的な珍しい地形をなしています。こうした立地条件から“バーチカル観光”(垂直観光帯)を主眼にした開発を行なっていくべきであるという結論が得られました。
バーチカル観光を行なう場合は、市域を4地帯にわけることがのぞまれます。海抜0メートルから500までの地域は、市街地、住宅地、農地などが大部分をしめ、都市計画公園、都市計画街路もこの範囲内を対象にしているので、「都市地域レクリェーション施設整備地帯」とします。
海抜500メートルから1,000メートルまでは森林地帯で、この地帯は都市との距離が近く、施設的にほとんど開発されていないので、自然林保護を基本とした「遊歩自然林地帯」とします。
海抜1,000メートルから2,500メートルまでは、スカイウエイ(表富士周遊道路)を中心に、自然景観がよいので「自然保護地帯」とします。
海抜2,500メートル以上は傾斜も急になり、気象の変化も激しく、登山が対象になるので「登山地帯」とします。
これら4地帯に適した構想をたて、それを推進していく必要があります。
そのなかで重要なことは道路網の整備です。各鉄道駅、田子の浦港、インターチェンジからスカイウエイを結ぶ「バーチカルウエイ」の建設が考えられます。
この道路網の整備とともに、各地帯に重点整備地区を設け、計画をたてることが必要とされています。重点整備としてあげられているのは次の点です。
低地帯では、岩本山公園の整備拡張や富士川河岸公図の計画を。また、国道1号線に面した海岸と沼地を人工的に改良して、海水遊泳プールをつくる計画も必要とされています。
愛鷹山麓は、大棚の滝、キャンプ場あるいは広場を整備するとともに、動物の放養場設置があげられています。
スカイウエイとの関連では、御殿庭の整備、料金徴収所付近の休憩園地造成、腰切塚付近に休泊所の建設を考えていく必要があるとされています。
今回の観光診断は富士市を中心に行なわれましたが、観光開発は市が単独にやれるものではありません。国、県あるいは隣接市町と連携をとり、さらに詳細な検討を行なっていきます。
- 写真あり -