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【広報ふじ昭和44年】公害防止の協定結ぶ 大昭和製紙、三興製紙と

◇市は、大昭和製紙本社鈴川工場と三興製紙富士工場の2社と、4月24日、公害防止協定書を取りかわしました。この協定は「既存公害の防止計画」にもとずくもので、低イオウ重油の使用、高煙突化、騒音防止、臭気防止を対象としています。

 こんどの協定は、公害防止計画(施設改善の完成期日)、施設が完成したときの点検、防止施設を運転するときの義務および報告、環境の美化、被害をだしたときの措置などについて、取り決めを行ないました。
 具体的な公害防止計画は次のとおりです。

大昭和製紙本社鈴川工場

 大昭和製紙との協定は、第1次既存公害防止協定です。第1次協定では1.亜硫酸ガスの減少、2.ぼうしょう粉じんの飛散を防ぐ、3.新煙突の設置、4.アルカリミストの飛散を防ぐ、5.既存の回収ボイラー近くの騒音防止の5項目を取りあげています。
 なお、臭気対策、7号抄紙機の騒音対策、排水対策については、第2次防止計画をたて協定を取りかわします。

■亜硫酸ガスの減少
 いままで使用している重油は、イオウ含有率が2.9パーセントから3.1パーセントです。これを本年4月から少しづつ低イオウ分の重油に切り換え、44年7月から2.5パーセント以下の重油にします。昭和46年以降は市が実施するイオウ分低減計画に積極的な協力をすることになっています。
 なお、亜硫酸ガス対策については富士工場、吉永工場にも実施し、7月から3工場ともイオウ分2.5パーセント以下の重油になります。

■ぼうしょうの飛散防止
 効率の悪い施設を廃止して、新しく回収ボイラーを設置します。
この新設ボイラーは、第2集じん装置を加えたもので、現在のぼうしょうの排出量を半分に規制します。なお、それでもぼうしょうによって住民の生活に支障をきたすと認めるときは第3次集じん装置を検討し、設置することになっています。新設回収ボイラーの完成は来年7月です。

■煙突の新設
 高さ101メートルの集合型煙突を、来年3月までに新設します。これによって、イオウ酸化物の排出量は、大気汚染防止法の計算によると0.00075PPmになります。

■アルカリミストの飛散防止
 アルカリミストは、付近の住家に飛散した粉じんを分析したところ、ぼうしょう以外にアルカリ分が多いことがわかりました。原因を調査したところ、薬品を回収するときの排気ガスに含まれていることがわかりました。このため、各施設に補集器を設置し、現在の半分の排出量に規制します。

■騒音対策
 第1次協定では、旧施設(ボイラー音を含む)を対象に行ないます。しゃ音の効果については、科学的な実測を行ないながら、しゃ音壁や倉庫の新設などによって効果をあげていきます。
 以上の5点を20項目にわけて協定を取りかわしました。この第1次公害防止計面が完工するのは昭和45年7月31日になっています。

三興製紙富士工場

 三興製紙とは、騒音対策、臭気対策について協定を結びました。

■騒音対策
 抄紙機の騒音対策として、44年5月5日までに吸音材による防音壁をつくります。ドラムバーカー、チッパーの騒音対策は設備を44年9月30日までに市外へ移設します。なお、移設できないときは9月30日で運転を中止させます。
 チップ風送パイプはパイプの長さを20メートルから10メートルに縮め、吸音材で2重巻きにします。工事完成は44年5月5日です。

■臭気対策
 地球がまの排気ガスは、いままで大気放出方式で処理してきましたが、これを中止して水中ブロー方式にし、排水でこれを処理します。この工事は44年6月30日までに完成します。
- 写真あり -
( 写真説明 ) 上=協定書に調印する斉藤市長と大昭和製紙斉藤常務。
( 写真説明 ) 下=調印を終わり富士市長と握手する三興製紙石川工場長代理。

公害豆辞典

・芒硝(ぼうしょう)=黒液をボイラーで燃焼するとき発生する粉じんで主成分は硫酸ナトリュウム。トタンなど鉄類を腐蝕させます。
・アルカリミスト=クラフトパルプを製造するときに使用するアルカリが排気ガスとともに排出されるアルカリ分の微粒物。排出される濃度にもよるけれど、鉄板を腐蝕させます。
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