明治22年に東海道鉄道が開通してから駅を欲しいというのは、加島、田子浦、岩松地区の人たちの宿願でした。
そして、駅の敷地と駅舎を当時の鉄道省に無料で提供して、念願の富士駅ができたのが明治42年4月21日でした。
同時に、富士駅から鷹岡村長沢までの馬車鉄道が開通しました。この馬車鉄道は鈴川・大宮町間の鉄道馬車と接続されました。
この前年、富士製紙会社は第8工場をいまの本州製紙の所に建設しました。その結果、静かな農村は急激に変化し、駅前を中心に都市化がすすめられました。
写真は富士駅前の繁華街です。馬車を先頭に、紋付羽織やフロックコートに威儀を正した人たちは、馬車鉄道の開通を記念した長い行列です。(鈴木富男稿)
*この号から「仏像をたずねて」にかわり「今と昔」が登場します。めずらしい風景、風俗写真をお持ちの人は市史編さん室(富士事務所内)または秘書課広報係(本庁)へご連絡ください。
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