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【広報ふじ昭和44年】仏像をたずねて

天台大師

 岩本の実相寺に切経を収めてある経蔵があります。岩本山の中復にある祖師堂の北側の、木立ちにかこまれた小さな建物です。この中に天台大師の等身大の木像が安置されています。法衣をまとった漆墨の姿は一宗の開祖にふさわしく、右手は2本の指で釈迦(しゃか)を現わす印を結んでいます。作者や年代はよくわかりませんが、実に立派な仏像です。
 また、この経蔵は約700年前に日蓮上人が「立正安国論」を起草するため、3年間こもったと伝えられています。蔵は当時のものではありませんが、薄暗く実に静かで、なんとなく日蓮上人の姿がしのばれます。
 天台大師は、支那の隋のころの人で支那天台宗の開祖です。日本の僧最澄(さいちょう=入寂してから伝教大師と呼ばれた)は、平安時代(796〜1184)の初期に12歳で出家し、奈良や比叡山で修業しました。のちに唐にわたり、支那天台宗を勉強して、帰国してから日本の天台宗を開きました。
 この実相寺は、智印上人が約800年前の久安年間(1144〜1150)に開山した天台宗のお寺でした。しかし鎌倉時代(1185〜1332)になって、日蓮宗に改宗しました。なお、実相寺は日興上人や日朗上人などとは特に深いつながりがあり、それにまつわる逸話も多く残されています。 (鈴木富男)
- 写真あり -
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