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【広報ふじ昭和44年】低学年から字源指導を

成果あがる須津小の漢字教育

「ちかごろのこどもは字を知らない」という声をよく聞きます。ところで、市立須津小学校(植松清彦校長)では、ムリなく楽しみながら習得できる漢字指導を実施し、効果をあげています。それではみなさんとともに須津小学校の漢字数育をみてみましょう。

 須津小学校は、昭和41年に国語教育の研究指定校になってから、指導方法の研究、実践に取り組んできました。
 指導の基本は、ます「読むこと」と「書くこと」にわけ、第一段階として読めること、次に書けることをねらいとしています。また、漢字はむずかしいという児童の先入観を、やさしい字、おもしろい字という考えに変えていくことに重点をおいています。
 具体的な指導としては、早い時期から漢字を多く与え、多く学ばせるようにしています。
 これは、1.記憶力のよい低学年のときにひらがなより覚えやすい漢字をたくさん与える。2.早く提出すれば反復練習する機会が多いので覚えやすい。3.漢字はある程度多く与えたほうが、相互に関連ができて覚えやすくなる。4.字源指導をすると、低学年でも興味と関心をもち、楽しみながら習得できる。5.一度ひらがなで覚えた言葉を漢字にするのは、最初から漢字で覚えるより労力と時間がかかる。――などの理由によります。
 こうした基本原則をもとに、各学年の指導要領がつくられています。

【1・2年】
 教育漢字だけで当用漢字は入れない。
 筆順指導は基礎的、原則的なきまりを重点的に指導する。
【3・4年】
 教育漢字をおもに、当用漢字も提出する。新しく出る漢字が多いので、音訓両面の指導をする。一つの漢字を類語または反対語なども使い理解を深める。辞典の使用になれさせる。
【5・6年】
 漢字の出し方は3・4年と同じ。読みかえ漢字が多いので、音訓両面から指導をする。作文はもちろん、日常生活でもすでにならった漢字を適切こ使うようにさせる。国語辞典、漢和辞典を自主的に活用させるようにする。

 それでは具体的な実践活動をみてみましょう。
 文部省から小学校1年がおぼえるべき漢字としているのは46字です。ところが須津小学校では250字も提出します。
 字源指導では、校内テレビを利用しています。このテレビ利用は「漢字の玉手箱」という番組をもうけ、児童たちによって字源をとおした読み、意味、使い方などの学習を行なっています。
 このほか教室の中に掲示して、つねにこどもたちがそれに慣れるように指導しています。
 次に「はり漢字」による指導方法があります。「はり漢字」は、教科書のなかから漢字にしたほうが読みやすいもの、意味のわかるような言葉を教師がひろい、ひらがなの長さに漢字を印刷して教科書にはりつけます。また、掲示物や予定黒板には当用漢字の範囲内で、できるだけ漢字になおし、つねに漢字に目をふれさせるように指導しています。
 こうした指導の成果は次のようにあらわれています。
 各学年の教育漢字の習得状況は1年が22字、2年が194字、3年が271字、4年が414字、5年が632字、6年が740字となっています。とくに2年生は配当字数151字を相当に上回るほどの効果をあげています。
 そのうえ、読み、書きができるようになったので、文章を深く理解できるようになるとともに、国語に興味をもつようになりました。また、他の教科についても内容がよく理解できるようになった、などの成果をあげています。
 植松校長の話「漢字は国語の中核といえます。その漢字を、児童たちがムリなく、楽しみながら習得できるように苦心してきました。さいわい、3年間実施して効果もあがってきたので、今後も根気よく研究を続け、指導していきたいと思っています。」
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