岳南排水路管理組合(管理者 斉藤滋与史富士市長)が設立されました。岳南排水路事業は、紙パルプ工場から排出される汚水による農業や漁業の被害をなくし、都市環境の整備をすすめるため、昭和26年に県営事業として着工されました。この管理がさきごろ県から移管されたので、富士市と富士宮市で一部組合を設立したものです。
岳南地区の紙パルプ工場は約150。昭和42年の生産高は181万トンで、生産額は1,200億円をかぞえています。
この紙パルプ工業にどうしても必要なものが“水”です。現在150工場で使用される水は1日約180万トン。ところが使用された水はほとんど汚水として排出され、河川を汚してきました。
岳南排水路建設の総事業費は約52億円にのぼります。昭和26年に着工してからすでに13億円を投じ、1.5メートルから2.1メートルのヒューム管を約25,000メートル埋設しました。現在、処理している汚水は1日約100万トンで、100工場が利用しています。完成の昭和46年までにさらに39億円を投じ、約33,000メートルのヒューム管が埋設されます。排水路が完成すると1日約240万トンの汚水を処理できるようになります。
なお、現在各工場から排出される汚水は田子の浦港に放流されていますが、完成時には直接海へ放流されます。
岳南排水路の完成によって、悪臭、有害ガスの発生もすくなくなり、明るい都市環境づくりが期待されます。