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【広報ふじ昭和43年】43年度の施政方針

斉藤市長がのべた施政方針の大要を紹介しましょう

重点施策は
1.新市庁舎の建設
2.道路交通行政の積極的推進
3.環境衛生施設の整備充実
4.教育施設の整備
5.行政の効率化と事務能率の向上
 昭和41年11月の新市発足してから実質的には新市建設の第2年を迎えます。永い歴史の中で必ず評価されるであろう、新年度の施政の方針を策定するとき、市長としての責務の重大さを思い、ひたすら17万市民の福祉を願うものでございます。
 昭和41年11月1日の新市の人口は164,932人でしたが、本年3月1日現在では170,748人を数え、増加数は 5,816人となっています。また工業出荷額は昭和40年の1,623億円に対し、42年の推計は2,137億円と飛躍しています。これは、昭和35年の1,013億円を基準とする指数は211パーセントという驚異的な伸びとなります。
 昭和42年度は、こうした市勢の拡大を背景に、諸施策を実施してきましたが、おおむねその成果を上げ得たと思います。これは、市民みなさんの深いご理解とご協力によるものと、心から感謝いたしております。
 さて、私は昭和43年度の予算編成にあたり、新市建設第2年目の諸事業の実施により、合併時の住民の期待にこたえるとともに、積極的に市勢の伸展をはかることを基本的態度といたしました。しかしながら、財政の硬直化を打開し、諸事業の財政需要に対処することが、いかに困難であったかということを、ご推察いただきたいのであります。
 それでは一般会計および特別会計企業会計の大要を申し上げます。
 一般会計には、総額43億4,500万円を計上しました。昨年度の当初予算額37億7,260億円にくらべ、、5億7,240万円の増加で15.2パーセントの増となっています。
 特別会計は水道事業、病院事業の両企業会計を含め20会計あります。
 この予算総額は17億3,279万円で、前年度との対比は6.1パーセントの増加です。したがって、一般会計、特別会計の総予算額は60億7,779万円となり、前年の54億588万円に対し、12.4パーセントの伸び率を示しています。私といたしましては財政の健全性を配慮しつつ、思い切った大型予算を編成しました。
 なお、私は予算全体を通じ、新年度の重点施策に次の5点を取り上げました。
 第1に新市庁舎の建設
 第2に道路交通行政の積極的推進
 第3に環境衛生施設の整備充実
 第4に教育施設の整備
 第5に行政の効率化と事務能率の工場

市民のために働く庁舎を
…地上9階・地下1階…
 第1の新市庁舎の建設は、すでに用地取得を終え、佐藤武夫設計事務所に建設基本構想を提示し、設計作業を進めています。本市は、県東部都市圏の中核都市として、高度な都市機能の集積が期待され、中でも新庁舎は東駿河湾西地区の行政センターとして、また市民の融和をはかるため、暖く、親しみやすく、利用しやすい「市民のために働く庁舎」の建設を基本理念としています。庁舎の規模は建築総面横18.550平方メートル、地上9階地下1階です。設計を中心とする諸準備は予定どおり進んでおり、順調にいけば本年7年に着工し 明年秋には完成する予定です。
 予算額は4億2,100万円で、財政措置は3億円を市債で、1億円は42年度の積立金の操り入れで措置し、一般会計はわずかに2,100万円を計上するにとどめ、一般継続事業費を圧迫しないように努力いたしました。

交通施設の整備 市道の舗装進める
…富士駅周辺の整備も…
 重点施策の第2は道路交通行政の積極的な推進です。
 工業化、都市化が急速に行なわれている当市の立地条件からして、私は前年度に引き続き、この面に重点的配慮をしました。すなわち、土木費の総額は約9億4,000万円で、全体の21.6パーセントを占めるぼう大な数字です。このうち弥生線など補助対象都市計画街路事業には、市単独事業と合せ2億1,200万円を計上しました。庁舎周辺および富士駅周辺の区画整理事業に9,200万円を措置し、市道の舗装および整備費に1億5,100万円を計上しました。
 道路整備とともに積極的な施策が必要なのが交通安全対策です。当市は全県にさきがけて交通課を設置し市民を交通災害から守る諸対策を行ない、その効果もようやく現れてきました。新年度は、一般市道の交通安全施設整備費、通学路の安全施設費などあわせて2,723万円を計上しました。

ゴミ収集業務の拡充はかる
焼却炉を増設
 第3の環境衛生施設の整備充実については、都市美化方策を引き続き推進するため、環境整備奨励金の交付、清掃運搬車の整備などにより、ゴミ収集業務の充実をはかります。なお、五貫島地先の第2清掃作業所のゴミ処理能力が限界に達していますので、20トン炉を2,600万円で設置します。環境衛生は市当局としましても、なお一層の努力をいたしますが、市民みなさんも自分たちの手で、きれいな街づくりをしていただきたいと思います。衛生費の予算総額は2億9,900万円です。

学校の増改築や体育館を新設
富士南中など3校にプール
 次に第4の教育施設の整備です。
 新年度の教育費総額は7億6,100万円で、予算全体の17.5パーセントにあたります。教育費は毎年予算総額の20パーセント近い数値を示していますが、小中学校の整備はなお当分の間、重点施策として力を注いでいかなければならないと思います。これは教育施設が私たちの次代をになう“人づくり”の場であるかぎり当然と信じています。
 予算では大淵第二小、吉永第二小、勢子辻分校にプールをつくります。このほか、大淵中の改築、須津中、吉原三中に室内運動場、富士南中のプール築造などを行ないます。田子浦中、元吉原中の設計委託料を計上しましたが、特に、田子浦中は教育環境上移転をしなければなりませんが今後ともなお一層検討していきたいと思います。

市民サービスの向上に総力を傾注
電子計算機を導入
 第5点の行政の効率化と事務能率の向上です。
 最近の社会経済の急激な発展によって、地方自治体の処理すべき行政事務はますます多くなり、複雑になるとともに高度化しています。これに対応して住民福祉の向上と、サービスの徹底をはかるためには、行政事務を近代化し、事務能率を可能な限り引き上げていかなければなりません。
 新年度は徹底した事務改善の方法を講じ、職員数の増加をおさえ経常経費の節減につとめ、これによって得た財源は、すべて投資的財源にあてるようにつとめました。
 また、行政事務の近代化の重要な布石として導入する電子計算機は、着々準備もととのい、第1次計画について本年10月以降、一部作業ができる見通しです。さらに新庁舎完成の時点を目標に、行政組織機構の改善をすべく準備を進めています。

特別会計については
 特別会計の20会計は、いずれも重要ですが、とくに国民健康保険会計、病院会計および水道会計について述べます。
 まず国民健康保険会計ですが、予算総額は4億6,950万円を措置しました。前年度との対比は24パーセントの大幅な増を見込みました。
 そのおもな理由は、第1に昨年末の薬価基準10.2パーセントの引き下げになりましたが、医療費7.7パーセント引き上げにともない、実質的に医療費の4パーセントのアップになります。第2に医療費の上昇率が毎年15から17パーセントであるということです。第3に療養給付の7割給付実施したことなどです。
 そこでこの会計の骨格財源である保険税収入をもって、歳出の増加に対処すべきであると判断し、保険税を前年度にくらべ、40パーセントくらいの増額を検討しています。
 しかし、これでもまだ収支の均衡をはかることは困難ですので、一般会計から3,000万円を繰り出し、急激な保険税のアップをさけるように配慮しました。
 第2に病院事業会計です。43年度予算は、現状の病棟を100パーセント利用し、効率的な運営により、できる限り減収を防止する考えでおります。しかし、残念ながら一般会計から1,850万円の繰り出しをしなければ、収支の均衡をはかることができないのが実情です。こうした状況下にありますが、病床の災害復旧にあわせ、病床増設をはかるため、設計委託料500万円を措置しました。このため懸案である新設病院については、当分のあいだ延期をしなければならない状況です。なお、用地についてはその間、別に有効な利用方法をはかっていきます。
 第3は水道事業会計です。新年度は合併時の案件である三水道方式をそのまま踏襲し、合理化体制の確立をはかりつつ経常を進めていく方針です。
 以上、新年度予算を中心に、施政方針についてその大要を申し述べましたが、一般会計における25億3,000余万円の市税収入と、18億円余にのぼる税以外の財源を確保することはもちろん、諸施策を実施するため私はじめ全職員は総力をかたむけてまいります。
- 写真あり -
( 写真説明 ) 施政方針をのべる斉藤富士市長
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