【広報ふじ昭和42年】表紙 アッ危いそのスピードが死を招く とび出すな車は急に止まれない
一日に7件の事故 負傷者が激増・国道が大半しめる
吉原、富士両警察署の調べによると1月1日から10月末までに市内で発生した交通事故は1,993件で、死者41人、負傷者1,404人となっています。これは昨年同期にくらべると死者は一人滅っていますが件数は77件、負傷者は273人多くなっており、最近の全国的な傾向である「負傷者の増加」を実証しています
原因別では、車間距離不保持が283件でもっとも多く、右左折違反183件、徐行違反159件、優先通行違反154件、ハンドル操作不適当134件の順となっています。
事故発生場所では国道1号線が約40パーセントちかくしめ、大月線が約15パーセント、その他が県道、市道となっています。国道1号線では依田橋交差点で52件もの事故が発生し、大昭和裏十字路でも36件の事故が発生しており“魔の交差点”とも呼ばれています。
悲惨な事故を防ぐため児童や幼児が道を歩いているときや、道路を横断しているときは一時停止または徐行する。タバコに火をつけたり曇った窓ガラスをふいたりしてわき見運転をしない。適切な車間距離をいつも保持するなど基本的な交通ルールをよく守り、少しでも事故をなくしたいものです。
目立っ追突事故 秋の交通安全運動ふりかえって
歩行者の正しい横断と保護の徹底。通学通園路の安全確保。ダンプなど大型車の安全運転確保。交通環境の整備改善。の4つのスローガンをかかげ“秋の交通安全運動”が10月21日から10日間、全国いっせいに行なわれました。
この10日間に市内でおきた交通事故総数は72件で、死亡事故1件、負傷事故46件、物損事故25件となっており、死者1人、負傷者52人を出しています。
これは昨年にくらべ総数で4件、負傷事故が7件も多くなっています。
事故原因別にみてみると、安全運転義務違反が28件でもっとも多くついで車間距離不保持12件、徐行違反10件、その他めいてい運転、一時停止違反など22件となっています。
なお、吉原、富士両警察署はこの期間中、運転者、歩行者の補導を行ないましたが「歩行者は正しい道路の横断、正しい歩行をしていないのが目立った」といっています。また運転者はこの運動中221件の違反をしています。
このように、市や警察が事故防止を呼びかけても、歩行者が交通ルールを守らず、運転者が法令を無視してはいつまでたっても事故はなくなるものではありません。事故を起さないためにも“みんなで交通ルール”を守ってください。
■交通事故例
10月25日。午後1時25分。国道1号線消防署の西側で富士市内宮下のSさん(31歳)運転の普通乗用車が富士宮市のYさん(71歳)をはね、Yさんは即死。原因はYさんが左右の確認をしなかったのとSさんが安全運転義務違反をしたため。
国道に歩道橋二つ 安全都市宣言塔も
市は、交通安全施設の整備をすすめていますが、このほど横断歩道橋と交通安全都市宣言塔ができました。
横断歩道橋は、交通の激しい国道1号線の四丁河原地先と桧町地先につくられました。高さが4.7メートル、幅1.5メートルで、工費は四丁河原が280万円、桧町が283万円で開通は11月下旬です。
交通安全都市宣言塔は大月線沿いの天間南地先根方街道の浮島一地先、国道1号線の橋下地先と元吉原地先の4か所に建てられました。塔は正三角塔で、高さ4.75メートル幅1.2メートルで、工費は1基10万円でした。交通安全宣言都市富士市の名に恥じないよう、安全運転を心がけてください。
このほか、42年度中に防護柵を中島地先と厚原地先にもうけるほか道路照明灯を本町津田線などに12灯設置します
また、歩道の舗装を380万円で、新設67万円で行なうなど、交通安全施設の整備を積極的におしすすめています。
徹底したい交通安全思想 手老 保(吉原警察署交通課長)
秋の交通安全運動もあと一日で終るという、10月30日の午後5時35分ごろ第二中学校前の市道でバイクを運転して西進中の19歳になる少年が、反対方向から走ってきた三輪車に衝突され「頭部外傷右上腕開放骨折など全治6か月の重傷」を負った。加害車両はそのまま東へ逃げてしまった。悪質な“ひき逃げ”事件である。逃げた車両はまもなく逮捕されたが、事故原因は三輪車の運転者が酒を飲んでいたうえわき見運転をしたものとみられている。どうしてこんな事故が起こるのか。私があえてこの事故を取りあげたのは、毎年春、秋の2回にわたって全国的に展開される交通安全運動が一部関係者だけのお祭り騒ぎに終ってしまい、市民全体に運動の主旨がゆきわたっていないことを強く感じたからである。
「すべての歩行者、運転者に交通安全思想を普及、徹底させるか」というのがわれわれに課せられた大きな責任であると、事故のたびに認識を新たにさせられる。そして「すべての歩行者、運転者が交通安全思想をしっかり身につけて、われわれの生活から交通事故を追放してほしい」と切望するものである。 (吉原警察署交通課長)
わたしもひとこと
運転者
ハンドル握ったら一時停止と確認を 小林 勉(水道業)
交通事故…‥。車に乗るものにとって何んて嫌なことばだろう。私たちはだれも事故をおこそうと思って車に乗っているものはいない。しかし、現実に事故はおきている。
事故をおこさないためには、運転者、歩行者はもちろん市、県、国が交通安全施設の整備を進めることが大切ではないかと思う。
運転者は一時停止、安全確認をする。歩行者は道路の横断、歩道のない道での正しい歩行など交通ルールをしっかり身につける。行政当局は交通標識、街路灯、横断歩道橋などの安全施設を整備する こうしたお互いの協力があってこそ交通事故がなくなっていくと思う。「オレひとりくらいはルールを守らなくても」という気持を運転者、歩行者ともになくしてほしいものだ。
それから、市当局にお願いしたいことがある。
“こどもの遊び場”をつくってやってほしいということだ。こどもが道路で遊んでいれば、われわれ運転者はもちろん気をつけるが、こどもはとっさにどんな行動をとるかわからない。こどもが“車”に注意しないでのびのびと遊べる場所をたくさんつくってやってほしいと思う。(依田原一)
歩行者
あの日…5分遅く家を出ていたら 高田 啓子(高校生)
事故にあった日、私はいつもより5分早く家を出ました。いつも通る道の右側を歩いていると、急にある会社から車がでてきました。とっさのことでよけるひまもなくぶつけられてしまいました。
病院での診察は全治2か月のムチ打ち症。私たち学生にとってなんて悲しい言葉だったでしよう。運動ができない、通学にもさしつかえる…。
あの日、あと五分遅く家をでていたら、運転者の人が左右の確認をするというチョットの注意をしてくれたらと、グチもいいたくなります
こうした交通事故は、運転者だけが気をつければなくなるものではないと思います。もちろん歩行者も十分気をつけなければならないと思います。しかし、それ以上に家族全体のバックアップが必要ではないのでしようか。家庭の幸せを守っていくために……。
交通事故の恐しさを知るのは悲惨な事故の現場と被害者をみたときと思います。でも、それではおそすぎます。私はこの事故で「注意一秒、ケガ一生」という交通標語のもつ意味をいやというほど知らされました。 (新追町)
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