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【広報ふじ昭和42年】表紙 岳南畑地かんがい事業

○岳南地域の畑作の振興と農業経営の安定をはかっていくための「岳南畑地かんがい事業」が昭和45年からはじめられます。
 農政課は、事業の大綱をつくり、関係者に説明会を開いています。計画では総事業費42億円で完成は昭和52年の予定です。
- 図表あり -
( 図表説明 ) 地図

昭和45年から実施 農業経営の安定はかる

 安定した農業経営を行なうには、農作物の増産と流通経済過程の安定をはかっていくことがあげられます。このうち、生産量の増大は品種改良、栽培技術の進歩などの研究が進められていますが畑地のかんがいはあまり行なわれていませんでした。しかし、さいきん一般作物のかんがい効果は各種の実験で実証されています。そこで、岳南地域の畑作農家の経営安定をはかるためこの事業が行なわれるわけです。
 事業計画によると、総工費は42億円で、岳南地区の東名高速路以北2万4,000ヘクタールの地域にかんがい施設をつくるもので、着工は昭和45年、完成は昭和51年の予定です。
 かんがい水源は、日軽金の発電残水に求め、東駿河湾工業用水と同じに伝法地先までポンプ揚水し、さらに4か所に掲水機を設け、北部の貯水場ヘポンプアッップします。
 区域内2万4,000ヘクタールは2つのブロックにわけられ、曾比奈と今宮に貯水場がつくられます。
 貯水場にあげられた水は自然落差を利用して各地区に送水され、その圧力でスプリンクラーまわして、かんがいしていきます。スプリンクラーはすべて定置式で、操作はワンマンコントロールによる自動制御方式で行ないますから「かんがいのための労力はほとんどいりません。
 送水管は1.2メートルの幹線1万1,500メートルと、1メートルから0.35メートルの支線2万3,000メートルが埋設されます。
 かんがい施設ができると、農作物の作付類型をかえた経営を考えなければなりません。いままでは長い間の経験から、比較的干ばつに強い落花生 サツマイモ、麦類がつくられていました。これを高級そ菜、一般そ菜、みかん、茶など所得率の高い作物にしていくわけです。
 まず、須津地区はみかん栽培を中心に、茶の栽培を行なっていきます。大淵、今泉、鷹岡の北部地区は、ヤブキタ茶の普及を進めるとともに、陸播水稲、そ菜類(カンランなど)を中心にしていきます。伝法と鷹岡南部は、さいきんハウス栽培がのびているので、メロン、トマトなど高級果菜の施設園芸と、セロリ、レタスなどの集約そ菜を中心にしていきます。
 このようにして、農作物の主幹作目をきめ、営農団地をつくるとともに東名高速道路、田子の浦港を利用した共同出荷組織をつくり、市場の安定をはかり、農業所得を増加させていきます。
 なお、かんがい施設の工事用道路は、工事の完成後は農道として整備され、労働力の節約、生産の向上をはかるために使用されていくことが計画されています。

茶、陸稲などのかん水試験

 畑作物に対するかんがい実験は各地で行なわれて、その効果が実証されていますが、市内でも大淵の試験ほ場と石坂の県茶業試験場で調査が進められています。
 大淵の試験ほ場ではカンラン、陸播水稲、陸稲などの調査を終り、現在ホウレンソウ、カブなどのそ菜類の調査も進められています。石坂の県茶業試験場ではヤブキタ茶の収量、かんがい施肥などの調査が行なわれています。調査の結果は「かんがい」の効果が認められましたが、くわしい資料は近く発表されます。
- 写真あり -
( 写真説明 ) 写真はスプリンクラーによるヤブキタ茶のかん水試験で。=県茶業試験場で=
添付ファイル
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