【広報ふじ昭和42年】表紙 富士市 交通安全宣言都市
アッ!危ない そのスピードが死を招く
市内で発生する交通事故を、わたしたちみんなの手でなくそうと、富士市は6月19日、「交通安全都市宣言」を行ないました。また、7月15日に交通安全都市推進大会とパレードが行なわれました。
わたしたちひとりひとりが交通ルールを守り交通安全都市宣言の名にはじない富士市にしようではありませんか。
交通安全都市宣言
産業経済の飛躍的な発展にともない特に当市地域の道路交通量は増大の一途をたどり、交通事故は日に日に激増しつつあり、市民の尊い生命と財産は常に危険にさらされ、不安と恐怖におののいている現状である。
交通事故は人間がつくり出す災害であって、人間の努力によって防止できるものである。ここにおいて、市民ひとりひとりが真剣にこの問題に取り組んで、人命尊重の精神に徹し交通道徳の高揚に努め、それぞれの立場でお互いが心をあわせ、戒めあって交通秩序を保持するとともに、総合的な交通環境の整備を推進して、事故絶滅を期することを念願する。よって、全市民あげてこの目的を達成するため、ここに富士市を交通安全都市とすることを宣言する。
事故防止へ総力結集
7月15日吉原市民会館で交通安全推進大会ひらく
交通安全都市推進大会は、7月15日、約1,000人が集まり市民会館大ホールで行なわれました。
大会は、漆畑助役の開会のことばではじまり、斉藤大会会長(富士市長)が「正しい歩行、正しい運転を守り、市民総ぐるみで事故を防止しよう」とあいさつ。続いて「交通安全宣言」=別掲=が読みあげられました。
また、吉原小学校の児童代表、青木洋子さんが次のような“誓いのことば”をのべました。
「きょう、わたしたちの愛する郷土、富士市が交通安全都市の宣言をしたことは、わたしたちにとって一生忘れることのできないことです。小学生であるわたしたちも、友だちとたがいに注意しあいながら、交通規則をしっかり守り、事故にあわないようにしたいと思います。そして、自動車に乗れるようなおとなになった日には、交通道徳をしっかり守り、絶対に他人に迷惑をかけるような、おとなにならないことを誓います」
このあと、吉原、富士両警察署長から、さいきんの交通事故の特徴などの話しがあり、交通安全都市ヘスタートしました。
パレードは市旗を先頭に、県警察音楽隊、市関係者、市議、小学校児童中学ブラスバンド、交通指導員などが参加し、吉原、富士、鷹岡の中心街に事故防止を呼びかけました。
一方、自動車による交通安全パレードも全市をくまなく巡回し、推進大会を盛りあげました。
………ともあれ、いまわしい“交通戦争”などということばをなくし、尊い人命を守るためにはひとりひとりが交通ルールを知り、守らなければなりません。そして「事故0の日」にするためにおたがいに協力し、町ぐるみ、家族ぐるみで交通道徳を高め“交通安全宣言都市”富士市の名にはじない町づくりをしようではありませんか−。
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( 写真説明 ) 写真は宣言文を読みあげる斉藤富士市長 =吉原市民会館で=
宣言にあたって
富士市長 斉藤 滋与史
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みなさんの協力を得て「交通安全都市宣言」ができましたことに対し、心からお礼を申し上げます。
わたくしは、秩序ある交通道徳を確立するとともに、安全施設の整備充実をはかり、明るく住みよい郷土をつくるために努力してきました。
さる5月には、県下初の「交通課」を新設し、機構の確立を行ないました。また、交通安全施設の整備を行なうため、財源の確保につとめてきましたが、本年度は対策費として1,750万円を計上し、照明灯防護さく、反射鏡、歩道整備などを行なっていきます。
これからも、機構をより充実させるとともに、安全施設の整備を進め市民みなさんの尊い生命と財産を守っていくため、より一層の努力をしてまいります
しかし、いくら機構を整備し、施設を充実しても、みんなが正しい交通安全思想を身につけなければ、事故はなくなるものではありません。
この交通安全都市宣言を機会に「交通事故の絶無」をはかるためこんごともみなさんのご努力とご協力をお願いたします。
なお、ただいま“夏の交通安全運動”が実施されてます。この期間中は例年事故件数も多くなっています。とくに児童、生徒の事故が多いのが目につきます。
小中学校はもとより幼稚園など学童にとって楽しい夏休み中です。
各家庭でこどもの安全管理をしっかり行ない、こどもを中心とした家族ぐるみの楽しい夏休みをおくられるよう、心からお祈り申し上げます。
交通規則を守ろう
歩行者と自転車
歩行者
■道路を歩くとき
歩道のある道路では必ず歩道を歩いてください
歩道のない道路は、右側を一列に歩いてください
■道路を横断するとき
横断歩道が近くにあるときは、必ず横断歩道をわたってください。
横断するときは、左右の安全を確め、まっすぐわたってください。
■そのほか
酒によってふらついたり、道路で立ち話しをしたり、幼児をひとり歩きさせないでください。
自転車の正しい乗り方
■自転車に乗るとき
こどもにはからだにあった自転車をあたえてください。乗る前には、必ずブレーキ、ペダル、ベルなどの点検を忘れないでください。
■道路を走るとき
左側を一列で走り、急に自動車の進路にでないでください。
交差点を右折するときは、合図と徐行をして自動車には気をつけてください。なお、二人乗りは止めてください。夜はライトをつけ酒を飲んだら乗らない習慣を身につけてください。
■そのほか
雨の日にカサをさしたり、片手に物を持って乗らないでください。ゲタやサンダルをはく季節ですが、自転車に乗るときはやめてください。
運転者のみなさん
■飲酒運転は絶対やめる
酒を飲んでいたときの事故は、ほとんど大事故になります。酒を飲むと本人は自覚がなくても、注意力がおとろえ、反射神経もにぶくなります。酒を飲んだら絶対に運転はやめてください。
■制限速度を守ろう
40キロのスピードで走っている自動車が急ブレーキをかけて止る距離は11.1メートルといわれます。自分に適した安全な速度で走るようにしてください。
■無理な追越しやめる
追越しによる事故もスピードが出ているので大事故になります。二重追越しや交さ点での追い越しはやめてください。
■徐行を忘れずに
事故統計をみると徐行違反によるものが多くみられます。道路のかど、右左折するときなど、きめられた場所では必ず徐行をしてください。
無料交通事故相談
交通相談室で弁護士による無料交通相談を始めましたので、交通問題で悩みごとをお持ちの人は気軽におでかけください。
■場所 交通相談室(本庁)
■日時 毎週水曜日午後1時から3時30分まで
■担当弁護士 長橋勝啓、石川和市、河野光男
ただいま夏の交通安全運動中 7月11日−8月31日
“夏の交通安全運動”が7月11日から、県下いっせいに行なわれています。
運動は、目標に1.家庭への交通安全教育の浸透2.自家用車と二輪車事故の防止3.夏休みのこどもの交通事故防止4.歩行者の正しい横断の励行、の四つをかかげ、8月31日まで行なわれます。
■二輪車に乗るときはヘルメット着用
この運動は、例年、夏休みをむかえると多くなる、こどもの交通事故防止運動をより強力におしすすめるため家庭、学校、職場の交通道徳を高め、事故をなくすために行なわれているものです。運動は、7月11日から7月20日までを「母と子の交通安全の推進」7月21日から7月31日までを「交通安全広報の徹底」8月1日から8月10日までを「職場の交通安全確保」、8月11日から8月20日までを「街頭指導の徹底」、8月21日から8月31日までを「安全運動の総点検」の五期にわけ、それぞれ重点的に実施します。
具体的な運動としては次のようなことが行なわれますので、ひとりでも多くの人がこの運動に参加して、事故をなくすためにご協力ください。
■自転車にもバックミラー
■夏休み中に児童に交通安全作文を書かせ、安全思想をうえつける。
■学校ごとに「母と子の交通教室」を開き、こどもの指導とともに父兄にも安全教育を行なう。
■職場や事業所に交通安全組織をつくり、講習会を開き交通道徳を高めるよう呼びかける
■富士、吉原両警察署婦人交通指導員、民間交通指導員が中心となり、歩行者や自転車乗りの指導を行なう。
■二輪車に乗るときはヘルメットをかぶるように呼びかけ、街頭指導もあわせて行なう。
■自転車事故の多くは右左折するとき、後方を確認しないためにおきるので、バックミラーをつけるように呼びかける。
■学童の通学、通園路を関係団体と協議し、点検と整備を行なう。
■地域や職場などの会合に、懇談会、映画会を開き安全思想の普及をはかる。
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( 写真説明 ) 交通安全パレード
( 写真説明 ) 推進大会の一行として行なわれた市中パレードの一コマ=富士本町で=
家族ぐるみで市民交通傷害保険へ
1日1円の保険料
1日1円の保険料で加入できる「市民交通傷害保険」は、4月1日から実施され、すでに19,000人が加入しています。
この制度は、市が保険会社と契約して、安い保険料で多額の保険金を支払うもので、市内に住民登録のしてある人ならだれでも加入できます。
契約期間は4月1日から翌年3月31日までの保険料は1年間に360円(4月以後は30円に来年3月までの月数をかけた金額)。車両(自動車、原動機付自転車、軽車両、トロリーバスなど)による交通事故で負傷したときに、負傷の程度によって保険金が支払われます。
この保険はあくまでも車両による事故が対象で電車、飛行機、モノレールなどに乗っていたときの事故には支払われません。また、無免許運転やよっぱらい運転をしていたときの事故にも支払われませんが、一緒に乗っていたひとには支払われることになっています 保険料は負傷の程度によって区分されますが、死亡のときが50万円、6か月以上の負傷のときが10万円、3か月以上の負傷のときが5万円、1か月以上のときが2万円、1週間以上のときが5,000円、1週間以内のときが2,000円となっています。
この保険は、市民のみなさんがひとりでも多く加入することによって、おたがいに助け合う制度ですから、できるだけ多くの人に加入していただきたいわけです。
加入の手続きは、各分館の市民課窓口または各支所で保険料と印かんを申込書に添えてだせばいつでも受け付けます。
なお、加入者で不幸にして事故にあい、まだ請求の手続きをしてない人は、1年間で権利がなくなってしまいます。
市民課窓口、各支所に請求用紙がありますから必要な事項を書き入れ、1.被保険者カード2.交通事故証明書(この証明がないと保険金が支払われません)3.医師の診断書を添えて申出てください
安全トピックス
横断は手をあげて <原田幼稚園>
「道路をわたるときは手を高くあげましょう」と、婦人交通指導員のおねえさんの指導で、7月10日、市立原田幼稚園で交通教室が行なわれました。
園児たちは、信号を見る目も真剣に「信号は青になってから」「手は高く上げて」「横断歩道ではとばないように」などの注意に耳をかたむけていました。
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母と子の交通教室 <吉原小学校>
交通安全指導モデル校の吉原小学校で、7月8日“母と子の交通教室”が行なわれました。
吉原小学校は、県下有数の交通公園を使用して、毎週1時間づつ全校生に交通安全教育を行なっていますが、家庭でも正しい指導をして、こどもを交通事故から守ろうとおかあさんが、集り、こどもとともに勉強を行なったものです。
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人形の衝突にビックリ <吉原第ニ中学>
「自転車の正しい乗りかたと自動車の制動距離」の講習が、7月17日吉原第二中学で行なわれました。 自転車通学の生徒による正しい交さ点のわたりかた、後方確認などの指導を受けました。
そのあと、約50キロのスピードで走る車にワラ人形が衝突する“事故”で、生徒は交通事故の恐ろしさを再認識していました。
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社員同志で交通指導<大昭和富士オートクラブ>
昭和40年から「オートクラブ」をつくり職場の交通安全をはかる大昭和製紙富士工場は、毎週月曜日と木曜日に23名の指導員が社員の交通指導を行なっています。
いまでは、二輪車に乗るときは必ずヘルメットをかぶることなどが励行され、事故防止に大きな役割をはたしています。
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添付ファイル
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広報広聴課 (市庁舎8階北側)
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