【広報ふじ昭和42年】表紙 空ツユよそに 田植えおわる
市内で一日に必要な農業用水は189,000トン。ところが4月20日の大雨以来、雨らしい雨もふらず、各地で水田に“地割れ”ができるなど、水不足対策は深刻な問題として取り上げられてきました。
富士市では、県干ばつ対策本部、各農協と協力して農業用水の確保につとめ、6月30日までに水田2,260ヘクタールの田植えを終りました。
あの手この手で かんがい用水確保
「水がなくて田植えができない」といわれた水田は、市内で約610ヘクタールにのぼりました
地区別では田子の浦地区250ヘクタール、元吉原地区120ヘクタール、浮島地区100ヘクタール、須津と今泉地区が各30ヘクタールとなっています。このため、市は一日に必要なかんがい用水189,000トンを確保するため、工業用水の転用日軽金の発電用水の導入伏流水や地下水の調整などを行ないました。
田子の浦地区の一日に必要なかんがい用水は10,000トン。例年富士川工業用水から毎秒8トン誘水していましたが水源に水がなくなったため、日本軽金属に発電用水を放水するよう依頼しました。この結果、6月16日から5日間、毎秒2卜ンの放水が行なわれ水神四ヶ郷用水取水口から導水しました。また上堀、中堀、下堀農業用水路に工業用水を取水し、下流への調整を行ないました。
元吉原地区の三新田(大野、檜、田中)は、毎年水不足に悩まされてきました。このため、現在元吉原かんがい用水工事を行なっていますが、田植え期に間にあわなかったため、大野新田の地下水調査用井戸から一日1728トンの揚水を行ないました。また、沼川をせきとめ水路に取水してかんがい用水の不足を補いました。
なお、元吉原かんがい用水工事は、昭和放水路からポンプアップした水を三新田に誘水するものです。工費は800万円で、330ミリのパイプを本年度700メートル布設します。完成は今月中旬の予定になっています。
浮島地区には、かんがい用の井戸が5本あり、いままでは5本で約8,600トンの水を自噴していましたが、一割くらいの水量になったためモーターを備えて揚水を行ないました。
須津地区は、地震災害用井戸から高台に誘水して、そこから下流に流しました。
今泉地区には、昨年潤井川の伏流水をポンプアップする工事を行ない、かんがい用水の確保につとめてきましたが、これが故障したため、早期修理を行ない田植え期に間にあわせました。
市農政課は「干ばつで相当な被害が予想されたが、農家のみなさんの協力で最少限にくい止めることができた」といっています。
なにはともあれ、例年25日くらいかかる田植えを、みなさんの協力で15日間で終ることができました。これからの稲作管理も、水の調整などの連絡をよくし、秋には豊かな稲をつくりたいものです。
これからの稲作管理
ことしは、異常天候のためか、ヒメトビウンカ、ツマグロヨコバイの発生は平年よりややおくれており、発生量はやや多くなることが予想されています。
縞葉枯病
ヒメトビウンカを媒体とするため、例年より多く発生する見込みです。
薬剤はキルバール、サンサイド、DM、BHCを使用し、7月中旬までに3,4回いっせいに散布することが必要です。
萎縮病
ツマグロヨコバイの発生が多いので、萎縮病の発生も多いと思われます。
薬剤は、サンサイド、デナボン、マラソン剤を使用し、7月中旬までに散布してください。
二化めい虫
幼虫の発生がややおくれているし、ガの発生も少ないと思われます。
薬剤はバイジット、スミチオンを使用し7月中旬までに散布してください。
- 写真あり -
( 写真説明 ) 「ことしは田植えができないかと思ったよ」…
( 写真説明 ) 干ばつに泣された農家にとって“水−植付け”はどれほどうれしかったことか(今泉沖田馳で)
( 写真説明 ) 完成が待たれる元吉原のかんがい用水(大野町)
7月のおしらせ
無料人権相談 7月21日 吉原市民会館
毎月水曜日 行政相談
無料交通事故相談 交通相談室(本庁)
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