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【広報ふじ昭和41年】表紙 田園・工業都市めざして

新「富士市」スタート

☆新富士市は、11月1日にスタートしてから“人の和”を基調に、行財政力を結集して、前向きに諸事業を進めています。新市建設の基本構想は「富士市総合開発計画書」に描かれているように、経済開発と社会開発を中心に、効率的な地域開発を進め、住民福祉の向上をはかることを目的としています。それでは、総合開発計画書に盛り込まれた「大富士市」建設の基本方針をみてみましよう−。

富士市総合開発計画 バイパスや愛鷹山の観光開発を推進

 まず経済開発では、田子の浦港の整備、道路網の整備、工業用地の造成、工業用水の確保など工業立地条件の整備がはかられます。
 田子の浦港は、昭和33年から築港がはじめられ、36年には一部使用を開始、40年には取り扱い貨物量も100万トンをこえ、本年4月には国際貿易港の指定を受けるなど、44年の完成がまたれます。なお、完成時には泊地面積45万平方メートル、1万トン3バース、5,000トン8バース、3,000トン10バースで、取り扱い貨物量も250万トンをこえる規模になります。
 道路網の整備は、現在の幹線道路は東西経済圏を結ぶ国道1号線を中心に国道139号線(吉原大月線)浮島三島吉原線(根方街道)田子の浦富士線鷹岡富士線などが放射線状にのびていますが、いずれも飽和状態となっています。とくに国道1号線の交通量は年々ふえるばかりで、日本の大動脈は完全にマヒ状態です。この対策として東名高速道路、富士バイパス(依田橋−由比町)沼津バイパス(依田橋−沼津市)の早期建設を建設省、日本道路公団に呼びかける一方、南北の連絡幹線道路の整備を進めます。主要路線の舗装は昭和50年までに完了します。
 工業用地の造成は、産業公害を未然に防ぎ、市街地、住宅地との混在をさけるため、臨海性企業は田子の浦港の背後に工業団地を、重化学工業に関連した用地には新幹線以南の富士川左岸から浮島を中心とした272ヘクタールの用地があてられます。昭和50年には工業出荷額3,262億円を見込み紙・パルプ製造業を中心に重化学工業部門の業種によって産業の高度化がはかられていきます。
 工業の伸展にともない工業用水の需要量も多くなります一昭和38年には一日133万トンの需要量でしたが50年には245万トンの需要量が見込まれます。このため、すでに供用のはじめられている富士川工業用水道の整備をはかる一方、工業、農業、上水共用の東駿河湾工業用水道の早期建設を行なっていきます。
 社会開発としては、住宅の増設、文教施設の整備、福祉施設の整備、衛生施設の整備、レクリエーション施設の整備などが実施されます。
 住宅は、第二次産業の発展とともに勤労世帯の増加が予想されますので、昭和50年までに公営、公庫、公団住宅などを7,000戸建設します。また最近は宅地の入手が困難になってきたため、宅地開発事業として、昭和50年までに横沢厚原団地(収容戸数1,970戸)岩本山団地(収容戸数500戸)を造成するのをはじめ、土地区画整理事業を計画的に進め吉原地区に4,000戸、富士地区に1,400戸、鷹岡地区に1,050戸の宅地造成を行う計画です。

市立病院・児童センターも建設

 文教施設の整備では、まず学校施設を充実させるため、小中学校校舎の新改築をはじめ、体育館、プール、給食施設などの整備を行います。このほか視聴覚機具を備えた移動文化館(走る市役所)勤労青少年会館、総合運動場などを建設し、社会教育活動を強力に推進します。
 市民が健康で明るい生活を営むためになくてはならないレクリエーシヨン施設の建設としては、もっとも不足しているといわれる公園の造成を中心に行なっていきます。工特計画にのせられている石坂(伝法町と石坂の間)昭和(柏原町)富士川(船場下 かりがね(松岡)の普通公園、砂山(鈴川砂山)岩本山の自然公園など8公園を一日も早く整備していきます。また、愛鷹山系のハイキングコース、山小屋、キャンプ場などを整備して、市民の憩の場とするほか、岩本山を公園計画とともに道路を整備し白糸の滝、田貫湖などを結ぶ観光ルートにしていきます
 福祉施設については、まず児童施設として保育園、遊び場の新設、母子福祉センター、児童健康センターなどの建設を行ないます。老人施設としては老人クラブ活動を推進するため「老人憩の家」を建設します。ちえおくれのこどもが独立するために必要な、技能や生活習慣を身につけさせる施設「ふじやま学園」を大淵地区に建設します
 衛生施設は、医療施設の整備として市立富士中央病院の病棟を増設するほか、吉原地区に市立病院を新設します。上水道は現在の普及率72%が昭和50年には90%になる見込です。この対策として、富士地区の第二次拡張事業、吉原地区の水道事業を整備します このように、新市の建設計画は、田子の浦港、東名高速道路を中心とした産業基盤の整備と、太陽と緑と空間のある住みよい都市をつくる福祉施設、衛生施設などの社会開発を行ない、個性のある田園・工業都市「大富土市」の建設を目標にしています

新市政のお台所

- 図表あり -
( 図表説明 ) 42年度
( 図表説明 ) 税収入の内訳
添付ファイル
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