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【広報ふじ昭和41年】表紙 新『富士市』11月1日誕生

16万都市への歩み

昭和36年 前市長金子翁が富士市、鷹岡町へ合併を呼びかける
38年9月 二市一町で“岳南広域行政連絡協議会”設置
40年3月 “岳南二市一町合併促進協議会”発足。具体的な協議を進める
41年10月3日 二市一町議会で合併議決。同日、各長が申請書、協定書に調印し、県知事に申請。市名「富士市」合併日「11月1日」
41年10月22日 自治大臣が合併 告示
41年11月1日 16万都市、新「富士市」発足

吉原・富士・鷹岡が合併

吉原、富士、鷹岡の岳南二市一町の合併は、10月3日二市一町議会で同時に議決され、同日富士文化センターで、斎藤滋与史吉原市長、漆畑五六富士市長、植田義次鷹岡町長が合併申請書と協定書に調印し、県知事に「吉原市、富士市、鷹岡町を廃し、その区域をもって富士市を置き、昭和41年11月1日から施行する」旨の申請をしました。この申請書は10月8日県議会で承認され、同22日自冶大臣の告示がなされましたので、ここに過去5年間にわたり論議されてきた二市一町の合併は“経済開発”と“社会開発”をニ大主柱にする新「富士市」の誕生となりました 以下、11月1日発足する新しい「富士市」の建設方針、協定事項、行政機構を紹介してみましよう。

“市民福祉”基調に田園、都市計画を

富士市総合開発計画書を策定
 岳南地区は、その昔から富士山ろくから湧出する良質な水、恵まれた労働力をもとに、紙産業を中心に繁栄してきました。
 ことに、隣接する吉原、富士、鷹岡の二市一町は太平洋戦争後、工業生産都市として急激な発展をとげ、一つの経済圏を形づくりました。それに二市一町の住民は、産業の裏付けになる立地条件ばかりか人情、風俗、慣行も全く同じようにしています。
 この既成事実に加えて、昭和33年からはじめられた岳南地区の表玄関口「田子の浦港」の築造、その広大な背後地の造成にともなう臨海性企業の進出をはじめ、東名高速道路、工業用水の導入など、工業立地の諸条件が整備され、38年には東駿河湾工業整備特別地域の指定をうけ、二市一町は 「工業都市」として将来の発展が約束されています。
 しかしこうした経済開発も社会開発も、一市一町で推進しようとしてもそれには限度があり、効率的な地域開発は望めないのです。それには二市一町が“人の和”を基調とした大同団結、つまり行財政能力を結集して、地域の発展と住民福祉の向上をはかることが、もっともふさわしい姿勢であり、根幹となる工業開発に大きな公共投資を誘導することもできるわけです。
 新「富士市」の理想図は、11月1日の合併から具体的に実施されるわけですが、その基本構想は41年9月、二市一町が策定した合併後の「富士市総合開発計画書」に描かれています。
 富士市総合開発計画書に盛り込まれた基本方針によれば−
1.道路、港湾、用地、用水施設などの「産業基盤」を拡充整備する
2.農業、水産などの生産体制、販路の体質改善。中小企業の生産、経営の近代化のための具体的助長策を研究推進する
3.商業、運輸、通信、金融などのあい路、障害を探究し、需要に応じ得る適切な流通機構を整備する
4.住宅、上下水道、福祉施設、保健衛生施設、都市計画、公害防除などの諸施設を計画的に整備し、秩序ある都市づくりをする
5.学校教育.社会教育施設を拡充整備し、新都市の原動力にふさわしい人づくりをする
6.都市の歴史、人情や徳性の上に立つ地域の特性を生かした「個性ある都市の開発」を推進する
 それに同書は広域行政の具体的な青写真をつぎのように示してもいます。

由比〜沼津 バイパス早期完成

まず産業基盤になる交通施設の整備でありますが、現在の幹線道路は、東西に貫かれた国道一号線と吉原から富士宮市へ通じる国道139号線(吉原大月線)主要地方道の三島浮島吉原線(根方街道)一般県道の勢子辻吉原線、田子の浦港富士線、鷹岡富士線が放射状に延びています。ところが国道一号線の交通量は年々増えるばかりで日本の大動脈は完全にマヒ状態です。45年には市内を約5万台の自動車が通過することが推計されますので、この対策としては富士バイパス(依田橋〜由比)沼津バイパス(依田橋〜沼津)の早期完成をはかることになっています。主要路線の舗装は50年までに完了することを目標に進めます。
 住宅、文教施設の整備については、住宅は、第二次産業の高度成長とともに勤労世帯の増加が予想されるので50年までに公営、公庫住宅などを7,000戸建設します。宅地の開発は横沢厚原団地、岩本山団地をはじめ、吉原依田原新田、富士地区、鷹岡地区の区画整理をして 「太陽と、緑と、空間のある」住みよい環境づくりを進めます。一方、文教施設は学校教育施設の拡充整備はもとより、視聴覚器材を備えた移動文化館(走る市役所)青少年婦人会館、音楽・美術館、科学館などを早期に建設して、社会教育活動を積極的に推進します。
 公園施設を中心とするレクリエーション施設の整備は、現在の施設があまりにも貧弱なので、工特計画にのせられている吉原地区の石坂(伝法町と石坂の間)昭和(柏原町)の普通公園、砂山(鈴川砂山)の自然公園など八公園を一日も早く整備することにしています。また、レクリエーション施設は明治百年記念公園の候補地にあげられている愛鷹山系と岩本山を設定し働くひとたちのための“憩い場”を重点的につくります。
 このように開発計画書は産業・田園都市の建設を目標とする新市のビジョンを200頁にわたって青写真にしていますが、いずれにしても、こうした構想は、市民の生活と福祉増進に役立つものでなければ「広域行政」の意味はないのです。そのためには、十六万市民が一つの輪になり「理想の都」新富士市を育てる姿勢と融合が、肝要ではないでしょうか−。
- 図表あり -
( 図表説明 ) 富士市の区域
- 写真あり -
( 写真説明 ) 田園、工業都市をめざし大躍進する新「富士市」の勇姿 =田子の浦港の上空から展望=
添付ファイル
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